ちょっと間があいてしまいました。関西洋風建築めぐり講座で見学した「日本真珠会館」の内部&ディーテール編です(外観編はこちら)。
mayumamaさん や yumeさん 、ぷにょさん も記事をアップされ、当然のことながら内容がかなり重複していますが、まあ備忘メモの意味もあって私も記事に残しておきます。以下、順不同です。
この建物で使われたコンクリートは殆ど不純物を含まないもので、空気抜きのために綿実に叩いたこともあって、非常に硬く強靱な構造となっており、例えば空調関係で穴をあけようとしても硬くて大変だそうです。この建物自体が金庫的とも言えるそうな。話を聞かないと、とても分かりませんね。金庫つながりで(笑)、写真のような古い金庫が残っていました。
風除室は正面玄関からホールや階段、エレベータ方向に人の流れを誘導するように斜めにゆるやかなカーブを描いており、これがデザイン的にもなかなか優美です。建具の黒が柔らかなデザインの中で引き締まった感じを与えているのも興味深いです。
入札が行われる4Fの広い部屋は自然採光重視ということで、大きな蛍光灯などは設置されていません。この部屋に使われているガラスは、世界で一番色がついていないというイギリス製の1枚80万円という高級品だそうです。汚れを拭くと晴れた日にはガラスがあることが分からないくらい無色透明だそうです。一度見てみたいものですね。

ドアノブ(取っ手)も洗練さとレトロ感にあふれています。

照明器具もシンプルですが、きちんとデザインされています。
一般的に安全で、かつ昇降しやすい階段は下記のような寸法であると言われています。
蹴上げ:R(mm)、踏み面:T(mm)
2R+T=630、R+T=450
方程式を解くと、答えはR=180、T=270となりますが、必ずしもこの寸法ぴったりである必要はありません。私の勤務先でも階段設計時の参考式として掲げていますが、ここの階段も上記の式に近い寸法のようで、確かに緩やかな勾配ですし、昇降しやすそうでした。うーむ、久々に純建築的考察やな(笑)。
階段は手すり部もシンプルながら軽やかなデザインです。木と鉄(鋼)の組み合わせ、色合いも素晴らしいですね。
屋外の螺旋階段は元々は優美だったと思いますが、傷みの激しい現在では凄みも感じてしまいます。煙突もシンボリック。

中庭に面したバルコニー部も傷みはありますが、風情あり。ここの眺めも実にいい感じです。

館内に残されているテーブル・椅子の多くがオリジナル・デザインとのことです。
エレベータの昇降表示はレトロ可愛い感じです。
外からは窺い知ることができない中庭です。空中庭園的な趣もあります。
静かで密やかな佇まいが絶妙。

説明をきちんと聞くことができなかったのですが、滑り出し窓部は中桟なしです。
へえーっ。
この建物の中で光安義光氏のご子息が建築設計事務所を開いておられます。
ドアクローザーもレトロなタイプです。
地下には石炭炊きボイラーがあったそうで、廊下にスチーム式暖房機が残っていました。内部はパイプとフィンだけのようです。
古いタイプの分電盤(でしょうか)も今となっては貴重です。
トイレの洗面器も丸っこくて可愛らしい感じです。真鍮製の蛇口も良し。
トイレの磨りガラス(型板ガラス)も美しいです。