今年最初の「関西洋風建築めぐり講座」は神戸(三ノ宮)にある日本真珠会館でした。本日はまず、外観を中心に写真をアップします。

この建物は真珠関係の同業者組合のビルで、アコヤ真珠の輸出拠点として昭和27(1952)年に建てられました。鉄筋コンクリート造4階建てで、設計は光安義光を筆頭にした兵庫県営繕組織です。

※以下、説明は講師である川島智生先生の資料ほかを参考にしています。

モダニズム建築の範疇に入るこの建物のプランは、1階:事務所と神戸パールミュージアム、2・3階:真珠品質検定室・真珠交換室、4階:入札会場となっています。真珠は自然光が重要であるため、採光には特に工夫がなされているそうです。

なお、写真は今回撮ったものと以前に外観のみ撮影したときのものが混じっています。また、mayumamaさんが以前今回の2回、探訪記をアップされています。

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1階は黒御影石、2階以上は白とブルー・グレーのタイルが貼られ、現在でも入札会場として用いられる南面の4階は連窓となっています。

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やはり斜めのアングルから見た下のショットがベストでしょうか。
外観では強調された水平線が最大の特徴かと思いますが、各階を区切る縁取り的なラインが薄くて実に軽やかです。現代でも十分に通用するモダンで洗練されたデザインですね。

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写真では淡い光しか当たっていないのですが、白い庇と縁取り部分が作り出す陰影も味わいがあります。上に行くほど全体的にせり出しているものの、重々しさは感じられません。

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ベランダの手すりも水平線の強調に一役かっています。ちょっと傷みは激しいですが。

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アール・デコ調のロゴもいいですね。

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玄関部分は落ち着いた中にも華やかさを感じます。

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真鍮製のロゴは元々は金色に輝いていたそうです(時々磨かれているそうな)。4階の外壁面のロゴがゴシック体ベースとすると、こちらは明朝体がベースで、それを少し崩したデザインでしょうか。この取り付け方も手間がかかっています。

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玄関の敷石はゆるやかなカーブを描いています。
こういうところが実に細やかです。

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面格子は垂直面に対して僅かに内側に傾けて取り付けられています。この部分の説明は無念の聞き逃しでしたので、mayumamaさんのブログをお読みください(笑)。

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なお、川島先生の解説によると、この建物はイタリア・コモにある「カサ・デル・ファッショ」とよく似ているとのことでした。下の写真はネットで検索したものの1つで、こちらは建設:1932~1936年、設計:ジュゼッペ・テラーニだそうです。確かに全体的な印象は似ていますね。これまであまりモダニズム建築の良さがピンとこず、村野藤吾作品ですら良いなあと感じだしたのは割と最近なのですが、色々お話しを伺って細部について分かってくると、一見素っ気なさそうなモダニズム建築も実に味わいがありますね。

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