風が強く吹いている(DVD)
★★★★:80~85点
以前に本で読んで大感動した三浦しをんさん原作の「風が強く吹いている」を遅ればせながらDVDで観ました(原作の感想はこちら)。原作はランニングをしている人、ランニング好きな人にとっては感涙ものでしたね。果たしてその映画化は如何に!?
この映画で最も印象に残ったのは、蔵原走(カケル)役・林遣都の素晴らしいランニングフォームです。絞られたスリムな身体、軽やかでバネのきいたよく足の上がるフォーム。大きなストライドでスピードをグングン上げて突っ走る姿に、一流の長距離ランナーはこんな走りなんだろうな、こんな風にまわりの景色が後ろに流れていくんだろうなと思いました。そうそう、大学在学中に司法試験に合格した頭脳派のユキも箱根の山下りで同じような気持ちを語っていましたね。カケルの走りは、まさに風に向かって、風を切り裂いての疾走です。この疾走感が最高でした。
以前、映画「バッテリー」でも彼のランニングフォームが素晴らしいと感じたのですが(・・・巧の自主トレのランニング・シーンが何度も出てきますが、上半身のフォームにやや硬さを感じさせるものの、ストライドの大きい力感あふれる素晴らしい走りでした・・・)、今回はそのランニング・フォームが自身の身体の成長と共に(?)一段と素晴らしいものになっていました。あんなに軽やかに走れたらなあ。。。体重が大幅に増えて鈍重な走りしかできなくなった市民ランナーにとっては羨望の眼差しです(汗)。林遣都クンのあのランニングを見るだけでも価値があります。まあ、学生時代に陸上部で長距離を本格的にやった人の感想はまた違ったものかもしれませんけれど。
そして、もう一つ、清瀬灰二(ハイジ)役・小出恵介の穏やかながらも説得力のあるリーダーシップぶりも良かったです。寮生のために献身的に働き、自分と寮生の壮大な目標のために全員をまとめ上げる。各人の特徴を見極める眼力も良し。また、箱根の本番でアンカーとして走るハイジの表情も素晴らしかったです。苦しさや迷い、葛藤はあったのでしょうが、ただひたすら前を見据えて走ります。一見すると淡々と無表情に見えますが、やれるだけのことはやって無心で走っているときはあのような表情になるような気がします。
箱根駅伝はTV中継でしか見たことがないのですが、実際の雰囲気はもっともっと凄いんでしょうね。ですが、走り終わった選手への温かな拍手とかも良かったですし、予選会があんな雰囲気というのも初めて知りました。最後の9校目に校名が読み上げられた寛政大学のメンバーが歓喜&雄叫びの声を上げ、回りの人々の拍手が彼らを包み込むシーンも素晴らしかったです。
あの膨大な原作を2時間強にまとめるのは大変だったようで、印象的なシーン(ムサと神童の友情とか)の幾つかが欠落していたり、やや描き足りない部分もあるような気がしましたが、原作の持つ独特なムードは出ていましたし、先に述べたランニングシーンとも合わせて、まずは見事な映画化でしょう。ただ、レース終盤にハイジを襲った絶体絶命のピンチ。やはり、ここの描き方はちょっとやり過ぎの感は否めませんでしたね。ここで5点マイナスか。原作ではどうでしたっけ?
*******Amazonの内容紹介より*******
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しかし、ハイジの緻密なトレーニング法と走ることへの信念、仲間への揺るぎない信頼が、皆を変えていく。やがて明かされる、ハイジの故障の理由とカケルが起した事件の真相、そして8人それぞれが抱えてきた本当の想い。
果たして、心を一つにした10人は、箱根の頂点に立つことができるのか―――?
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◎参考ブログ:
garciaさんの”お気楽ママの映画と子育て☆”
nexus_6さんの”Tristeza não tem fim”
irukaさんの”暮らし大好き!”
苗坊さんの”苗坊の徒然日記”(2010-7-26追加)