今月の「関西洋風建築めぐり講座」は神戸市立生糸検査所と国立生糸検査所でした。どちらも外観は何度か見ていますが、内部を見せて頂くのは今回が初めてです。
まずは神戸市立生糸検査所です。昭和2年(1927年)の築。設計は清水栄二率いる神戸市営繕課で、実際には熊本一之(意匠)、横野美国(構造)が担当したそうです。外観の最大の特徴は垂直線を強調した中央部に表れています。中間部を見ている限りはゴシック、最上部に目をやるとドイツ表現主義やチェコで花開いたキュビズム的な雰囲気が、いっぽう下方の玄関上部には蚕の顔をデザイン化したテラコッタ(?)の飾りがあり、まずちょっと他ではお目にかかれないユニークな造形です。
そして、エントランスホールに入ると、そこは二色の大理石がふんだんに用いられた階段回りとアーチ曲線を描く天井に囲まれた不思議な空間でした。この造形には驚きました。あの外観にこの伸びやかで大胆な内部デザインが隠されていたとは!大理石の色が何とも言えないですね。
素晴らしい建築には階段に見応えがあるものが多いのですが、ここも素晴らしいです。大邸宅などの木を使ったシックで豪壮にして繊細な階段とはまた異なった、石を基調としたデザイン、材料の質感・色合いなどが絶妙。
生糸の検査室だった部屋には昔使われていた機械が数種類残されていました。また、この建物は学校建築などとも似通った中廊下式の部屋配置のため、中央部には2列の円柱が林立していました。

お隣の新港貿易会館と三菱倉庫です。港の風景ですね。
下の写真は展示されていた阪神淡路大震災の3日後の空撮写真です。高速道路がスパッと切れ落ちていたり、液状化現象(左下)などがよく分かりました。また、港からカーブしながら貨物の引き込み線が伸びていた頃の様子も想像できる貴重な写真でした。
屋上からの景色を眺めた後、いったん少し下って、隣接する国立生糸検査所の方に向かいました。途中、レトロでなかなか味わいのあるエレベータがあり、みんな思わずパチリ。以下、その2に続きます。
◎参考ブログ:
mayumamaさんの”m's dairy”
mayumamaさんがかなり詳細な記事をアップされており、更に詳細な
建物の写真&解説をとプレッシャーをかけられたのですが(笑)、どう
しても似たような写真&説明になってしまいますね(汗)。