絶好の行楽日和となった土曜日、京都国立近代美術館で開催されている「生活と芸術 アーツ&クラフツ展 ウィリアム・モリスから民芸まで」(~11/9)に行ってきました。
概要などは、京都国立近代美術館と共催の朝日新聞社のページから引用
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9世紀後半にイギリスで興ったデザイン運動「アーツ&クラフツ」の広がりを、ウィリアム・モリスを中心とするイギリス、ウィーン工房がひときわ輝いたヨーロッパ、そして民芸運動が花開いた日本での美しい作品からたどる展覧会です。
装飾芸術の殿堂、ロンドンのヴィクトリア&アルバート美術館(V&A)との共同企画で、V&Aと国内の美術館などから、家具、テーブルウェア、ファブリック、服飾、書籍やグラフィック・デザインなど約280点を一堂に出品します。必見は、柳宗悦らが昭和初期に建てた「三国荘」(みくにそう)の再現展示です。柳の収集品や若き濱田庄司、黒田辰秋らの作品で飾られた室内には、民芸の原点を見ることができます。
手仕事の良さを見直し、自然や伝統に美を再発見し、シンプルなライフスタイルを提案する――。アーツ&クラフツが生み出した精神は、現代の生活に影響を与えながら、今なお遠い理想のようにも映ります。モリスや仲間たちが作り出した家具や壁紙、当時の最先端都市ウィーンの前衛的な家具やグラフィック、「用の美」を見出した民芸の美意識を味わいながら、生活のなかの芸術について思いをはせる機会となれば幸いです。
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まずはこのチラシ(フライヤー)をご覧ください。駅などに置いてある数多くのチラシの中でひときわ美しく輝いていたのがこのアーツ&クラフツ展のチラシで、文字と写真のバランス、デザインと色合いが素晴らしく、可読性も抜群で、これ自体が一つの芸術作品になっていると思います。何というセンスの良さ。このチラシに惹かれて来られた方も多数おられるのではないでしょうか。
この日は、「関西洋風建築めぐり」講座で教えて頂いている建築史家の川島智生先生による特別講演「三国荘の建築」があったため、講座仲間の方も複数名かけつけていました。私は会場で出会った講座仲間のTさん・Nさんと展示会場を回り、講演を聴くことにしました。
講演は午後2時からだったのですが、午前11時過ぎに整理券をもらった後、たっぷり時間があったため、まずは3人でいったん外に出て近くを探訪し、雰囲気抜群のアンティークな喫茶店で美味しい昼食を頂きました。この話はまた別途で。
昼食を終えた後は今回の企画展「アーツ&クラフツ展」の見学です。3人ですが、興味ある分野は当然少しずつ異なっているため、見学する順番やペースはまちまちとなりました。「アーツ&クラフツ」はそれに関連した人の名前も含めて、言葉としてはなーんとなく知っていたのですが、実際にまとまったものを見るのは初めてです。また、民芸については殆ど知識なしということで、何がどのように展示されているか殆ど予備知識なしで臨みました。そんな私が興味深く見たのは、最初のイギリス・セクションでは、やはりウィリアム・モリスの内装用ファブリック(壁紙、カーテン、タペストリー)のデザイン、書籍の飾り文字、実用性とデザイン性を兼ね備えた椅子などです。
次のヨーロッパ・セクションでは、今年3月にプラハ・ウィーンを旅行したこともあって、分離派(ゼツェッション)のポスター、テーブル・椅子の数々を懐かしく感じ、ワイングラスや食器類のデザインの美しさに唸りました。また、イギリスですが、マッキントッシュの作品(ポスター、金属製の小箱、ハイバック・チェア、絵)には、今でも時代の最先端を行くような洗練された美しさとカッコ良さを感じました。陶磁器関係はどうも苦手であまり良さが分からないのですが、ベーレンスという人の食器類はデザインや色合いが独特で良いと思いました。
さて日本です。どうも分離派(ゼツェッション)の作品の後に日本の民芸作品を見ても、そのつながりや影響などがピンとこなかったのですが、私としてはアイヌの伝統衣装、自在鉤などが良かったです。その後の三国荘の再現展示とからめたものでは、河合寛次郎の鉢や皿、茶碗、黒田辰秋のテーブル・椅子・棚、電気笠などが素晴らしかったです。特に黒田辰秋の透かし彫りは味わいがありますね。
”日本の民芸=土産物などの民芸品”といった誤った、素人的なイメージが強かったのですが、”民芸=民衆の工芸、民衆的な工芸”で、自然や生活と密着した美しさを兼ね備えた手作りのものと考えると、多少は分かったような気がしました。建築の場合は、そこに洋風のテイストなどが加わってきたりもするみたいですね。
と、ここまで書いただけで結構な長文になりましたので、三国荘の再現展示と川島先生のご講演については続編で書きたいと思います。
※今回、図録を買いましたが、それ以外に自分用のお土産として買ったのが写真のコースターです。モリスデザインかどうかは分からなかったのですが、ブルーが気に入りました。