うーん・・・。面白かったのですが、終盤が意外に盛り上がらず。感想は参考ブログに掲げた”そらさん”とほぼ同じで、ライト感覚の誘拐・ハイテク犯罪小説といったところでしょうか。全体的に淡泊な感じで、それ自体は悪くないのですが、犯罪小説(?)としては緊迫感といった点で惜しいなと思いました。
20年前の誘拐事件の被害者・生駒慎吾。慎吾の父・洋一郎と共に身代金として5000万円分の金の延べ棒運搬を手伝った当時の部下の間宮不二夫と鷲尾。20年前、合併話を申し入れてきたリカード・カメラ。5000万円は洋一郎がリカードの力を借りずにもう一度イコマ電子工業を立て直そうとしてかき集めたお金だった。次から次へと指示を出す犯人に振り回される洋一郎たちと警察。そして、5000万円分の金の延べ棒は・・・。
このあたりは黒澤映画の傑作「天国と地獄」のような雰囲気を醸し出して非常に良いと感じたのですが・・・惜しいなあ。
※最近TVドラマで「天国と地獄」の「生きる」がリメイクされました。
私は後者しか見ませんでしたが、黒澤作品とは似て非なるものでしたね。
コンピュータ技術を駆使したハイテク誘拐劇で発表当時(1988年)は斬新だったと思いますが、今日ではかなり陳腐化したもののように思えてしまいました。パソコン技術等の進化の速さゆえ仕方ないのですが、それを割引いても私は「クラインの壺」の方が面白かったような気がします。
◎参考ブログ
そらさんの”日だまりで読書”
たこやきさんの”たこの感想文”
************************** Amazonより **************************
緊迫度MAXIMUM(マキシマム)!空前絶後の完全犯罪
末期ガンに冒された男が、病床で綴った手記を遺して生涯を終えた。そこには8年前、息子をさらわれた時の記憶が書かれていた。そして12年後、かつての事件に端を発する新たな誘拐が行われる。その犯行はコンピュータによって制御され、前代未聞の完全犯罪が幕を開ける。第10回吉川英治文学新人賞受賞作!
