※表紙の画像は創元文庫版のもの
【注意:以下、ネタバレあり】
NowReadingの他の本「鳥類学者のファンタジア」(奥泉光)を読んでいる最中にさっと読んだので、ちょっと印象が散漫になったのが残念でしたが、イーベンに追いつこうとした(?)ジェニーの成長と一途な想いが哀しく痛々しくもありました。「わたしが大きくなるまで、あなたが待っててくれますようにと願うの。でも、きっとだめね」少女は答えた。
”時を超えた恋愛物語”であり、その出会い・再会の仕方や時の超え方が不思議なお話でした。北村薫の「リセット」もちょっとこれと似たような感じでしょうか。美しく楽しいけれど哀しさのあるピクニックシーンが印象的。
物語の途中で「モーリタニア号」という言葉が出てきたときに、ふと「タイタニック号」のことが浮かんできて、ジェニーは悲劇に巻き込まれるのでは?と考えたので、ラスト近くの事件のインパクトが私にはやや弱かったのも残念でした。また、もうちょっとボリュームがあっても良かったかなと思いました。詩情あふれる素晴らしいラブ・ファンタジーですが、そういう理由もあって点数は75点とやや辛目です。
”そらさん”は偕成社文庫版を読まれたそうで、古めかしい翻訳が良かったとのことですす。私はハヤカワ文庫版(ほぼ同時期)ですが、何となく訳や表現の古っぽさに違和感を感じたので(決して悪いのではないのですが・・・)新訳の創元文庫版も読んでみたいと思いました。
************************ ハヤカワ文庫版ブックカバー裏より ************************
世界中が不況にあえぐ1938年の冬。画家イーベンは、その日も買い手のつかなかった絵をかかえ、夕暮れのセントラル・パークを歩いていた。ふと、石けりをしている少女に目を止めた彼は、少女の不思議な美しさに魅せられた。少女の名前はジェニー、奇妙な歌を口ずさみながら闇の中へ消えてしまった・・・。
幻想的なリスムのある文体で、空想のおもむくままに描いた美しい愛の詩情!アメリカ文壇に、その特異な文体、鮮明なイメージで精彩を添えるネイサンの不朽の名作!
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このセントラル・パークでの出会いが実に印象的。
セントラル・パークはよく映画や小説の舞台になりますが、それにふさわしい
佇まいなんでしょうね。ハヤカワ文庫版の表紙画は、ここでのジェニーの
後ろ姿が描かれています。
ところが、図書館の管理用に貼られたバーコードがこのジェニーの姿に
重なって足元が見えない・・・。
くそーっ、剥がしたいなあ。
あかん、あかん。
************************ Amazonより ************************
内容(「BOOK」データベースより)
1938年、冬のニューヨーク。貧しい青年画家イーベンは、夕暮れの公園で、一人の少女に出会った。数日後に再会したとき、彼女ジェニーはなぜか、数年を経たかのように成長していた。そして、イーベンとジェニーの時を超えた恋が始まる…詩人ネイサンの傑作ファンタジイ。
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◎参考ブログ:
そらさんの”日だまりで読書”
