先日、東京日帰り出張時に用事が早めに終わったため、池袋のジュンク堂で業務関連書籍を探すついでに久々に東京近代建築探訪を敢行しました。東京は京都・大阪に比べると湿度が低くカラッとした暑さとの印象があったのですが、この日は大違いで蒸し暑さを伴った猛暑でした。
まずは、会社のある虎ノ門から江戸川橋へ移動して鳩山会館へ。首相を務めた一郎をはじめ、威一郎・由起夫・邦夫という4人の政治家を生み出した名門の邸宅です。一時期かなり建物も傷んでいたそうですが、約10年前に大規模修復工事がなされ、非常に美しい洋館が蘇りました。内部は欄間などにステンドグラスが用いられていますが、華美過ぎず上品な美しさです。サンルームは明るくて心地良し。ここの床タイルは小ぶりで可愛らしいです。ステンドグラスなどの至るところに”鳩”のモチーフが用いられているのが微笑ましい。
サンルームから南側に広がる芝生の庭に降り立ち、振り返ると、それはそれは華麗で美しい外観を目にすることができます。設計を手がけたのは、明治生命館・大阪市中央公会堂などの名手・岡田信一郎。この人の腕は確かです。なお、時間の関係でじっくりと見ることができなかった一郎・威一郎たちの記念館(2階の部屋を転用)の展示は要再訪です。また、急坂を上ったところにある緑に囲まれた立地も最高でした。
鳩山会館だけでも近代建築の素晴らしさを堪能したのですが、続いて池袋へ。目的地は自由学園・明日館(みょうにちかん)です。ここは旧帝国ホテルの設計者であるF・L・ライトとその弟子遠藤新の作品です。想像では前面の芝生はもっと広大なイメージがあったのですが、実物は「あらー、可愛らしい」といったものでした。
ここで特筆すべきは内部空間です。礼拝にも用いられていたホールの広い空間は静謐さと光のバランスが素晴らしいです。そして、最大の見せ場は隣接する食堂だと思います。ホールから狭い階段を数段上がると・・・そこは外光を巧みに取り込んだ光あふれる空間でした。この部屋に入った瞬間、おおーっ!という感動の気持ちがこみ上げてきました。ライト特有の幾何学的装飾。ライト自身が設計した照明。椅子などのデザインもいかにもライトチック。このような空間で育った子供たちは心が豊かになること間違いなし。創立者(羽仁吉一・もと子夫妻)とライトがいかに子供たちに愛情注いでいたか分かりますね。私のデジカメ写真では、その素晴らしさの半分も伝え切れていないのがもどかしいのですが。
2件の建物を探訪しただけでかなりバテたのですが、更に同じ池袋の立教大学へ。ここの建物のことは本で読むまで殆ど知りませんでした。礼拝堂や第一食堂を目指して行ったのですが、それ以外にも煉瓦壁の美しい建物が多数残っており、敷地はそう広くないと思うのですが、素晴らしい景観でした。予想外の収穫。
ジュンク堂では2日前にウェブで在庫確認をした書籍が店頭に見つからず(他の書店でもことごとく在庫なし)、店員さんにも調べてもらって粘ったのですが、無念の敗退。
既に6時も過ぎて写真撮影には厳しくなってきたのですが更に桜田門の司法省へ。大規模な赤煉瓦の建物が美しく修復されて活用されています。バテついでにもう一丁、銀座に移動して和光などを眺めたのですが、さすがに写真撮影は無理でした。
◎参考ブログ:
gipsypapaさんの”レトロな建物を訪ねて”(2007-02-26追加)
※鳩山会館の美しい写真が満載です(必見)
gipsypapaさんの”レトロな建物を訪ねて”(2007-05-26追加)
※立教大学の写真が美しいです