Beruka1_1ベルカ、吠えないのか?(文藝春秋)
★★★☆’:65点

快作(怪作?)、問題作だとは思うが、あまり気持ちの良い本ではなかった。”イヌ”についての描写が詳しいが、犬に対して豊かな愛情をもって書かれたという気もあまりせず。各種ベストテンなどの上位にランクされたりしていたようだが、これがどうも不思議で仕方ない。

******************* Amazonより *******************

内容(「BOOK」データベースより)
二十世紀をまるごと描いた、古川日出男による超・世界クロニクル。四頭のイヌから始まる、「戦争の世紀」。

内容(「MARC」データベースより)
1943年、日本軍が撤収したキスカ島。無人の島には4頭の軍用犬が残された。捨てられた事実を理解するイヌたち。やがて彼らが島を離れる日がきて-。それは大いなる「イヌによる現代史」の始まりだった!

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イヌたちの闘争本能、極限状態に追い込まれても生き抜こうとする本能、自分の血を残したいという本能、子供に見せる親の愛情などはよく描かれていたと思うが、発情(発情期)についての記述がやたらに多く、かつ誇張され過ぎていた気がする。

作者がこの本を書いた目的・意図は何だったのだろう。戦争に翻弄された犬たちを描こうとしたのだろうか。はたまた、戦争や争いばかりしている人間の愚かさを犬たちの目を通して描こうとしたのだろうか。犬たちの大河ドラマまたは連綿たる血脈物語のようで迫力はあった。ただ、多数の犬(何らかの血のつながりがある犬が殆ど)が出てきて全体としてのまとまりの無さを感じた。もうちょっと異なった描き方があった気もするんですけど。 また、イヌについての描写が細かい分、逆に人間の会話・語り部分があまりにも底が浅くて軽薄な気がした。

ラスト、これはいったい何?
あっけないというか、結局何がどうなったのか、これからどうなるのか。

色んな意味で私の理解力を超越した作品なのだろう。ところで、犬好きの人がこの本を読んだらどのように感じるのでしょうね。