書き込みが遅くなってしまいましたが、ドラマ「白夜行」が遂に完結。
非常に重いテーマ、早い放送時間帯ということもあってか、スタート前の注目度から考えると視聴率的には苦戦が続いたようですね。ですが、なかなか迫力のある骨太のドラマだったと思います。原作を読んだ人には不評だったようですが、私は1つの解釈編として見ていたので(&原作の細部はすっかり忘却の彼方だったので)さほど抵抗感なく、毎回結構のめり込んで見ていました。
あの原作を”純愛”に置き換えたのにはちょっとビックリしましたし、単純に”感動した!”とも言えませんが、幼い頃に受けた不幸ゆえ、2人が結果的に悪事を重ねることになりながらも精一杯生きようとした姿には心うたれた面もあります。完結して思ったのは、凄いドラマだったなということと、やはり東野圭吾の原作がそれを上回る凄さだったということです。
演技を振り返ると、
山田孝之(桐原亮司)。最初の頃はうーんどうかな?と思っていましたが、次第に良くなっていき、ときには凄みさえ感じました。「なあ、雪穂・・・」のセリフが耳に残っています。綾瀬はるか(唐沢雪穂)。原作では素顔が全く分からないので非常に難しい役どころでした。綾瀬さんは悪ぶっても、どうしても悪女には思えなかったですね。泉澤祐希(幼少時代の亮司)と福田麻由子(幼少時代の雪穂)の子役二人は文句無し。
私が俳優で最も素晴らしいと思ったのは、武田鉄矢(笹垣潤三)、渡部篤郎(松浦勇)のお二人。当初、武田鉄矢の関西弁には注文をつけたのですが、途中からそんなことは関係なし。抜群の存在感で見事に笹垣を演じきりました。彼が大阪に舞い戻ってこなければ、亮司と雪穂はあのような生き方をせずにすんだかもしれないのですが・・・。渡部篤郎は正にハマリ役。キレた感じが恐かったです。二人は名演でしょう。
亮司と雪穂を執念深く追いかけた笹垣が唯一の理解者だったというのは泣かせますね。「一人の人間幸せにするために、お前は精一杯やった。俺がちゃんとお前の子供に言うたる。・・・あの日、おまえを捕まえてやれんで、ほんま、すまんかったのう。」という笹垣の言葉には重みがありました。それに感謝しながらも死を選ばざるをえなかった亮司の姿にはつらいものが。「オレ、そのことだけは誰にも言わなかったじゃん」という松浦の最後の慟哭も心に残っています。
麻生祐未(桐原弥生子)は夫と”息子”を失ってしまい、酒におぼれるしかなかった悲惨さを演技と表情でよく表現していました。八千草 薫(唐沢礼子)、さすが貫禄の演技でした。病院のベッドで二人に告げた言葉が鮮烈。余貴美子(谷口真文)が出てくるシーンは唯一ほんわかしたムードがあって、救われた感じがしました。彼女は二人の素直な面の理解者でしたね。柏原崇(篠塚一成)も予想以上に存在感とムードがあって素晴らしかったです。
奥貫薫(西口奈美江)、大塚ちひろ(川島江利子)、西田尚美(栗原典子)は登場シーンはそれほど多くなかったのですが、印象的でドラマに深みを与えていました。 西田尚美さんは朝日新聞のインタビューで”幸薄い役が多い”と書かれていましたが、確かにそのような印象があります。素顔は明るい女優さんらしいですけれど。
粗を探せば幾らでも出てきますし、このように描いて欲しかった、描くべきだったのではという点も多数ありますが、あの映像化が難しい原作を何とかこのグレードにまで持ってきたスタッフの力量を私は評価します。
<参考ブログ> ※私と感想は異なりますが・・・