青葉台駅チャリンコ2分(小学館)★★★★(☆’):80~85点
久しぶりのブックレビューです。
怪作? いや、快作でしょう。
抱腹絶倒、波瀾万丈、熱血青春純愛自転車偏愛小説かな?面白かったです。ただし、自転車に全く興味のない人や体育会系のノリについていけない人はこの熱血ぶりを受け付けないかもしれません。
~~~ Amazonより ~~~
早大自転車部初の女子選手が綴る壮絶青春記
酒びたりの18歳だった私はある日、早大自転車部初の女子部員となった。 バニーガールのバイト。血みどろの落車事件。大病など…。横浜青葉台『轍屋自転車店』の女房になるまでを描く。今の時代女として「全力で生きる」とは、どういうことか? 煮えたぎる文体で描くパンクな青春放浪記。
著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
鈴木 カオリ
1969年、千葉県佐倉市出身。早大自転車部初の女子部員として活躍。卒業後、「サイクルスポーツ」誌での編集者生活を経て、2000年2月、横浜市青葉区に夫とともに「轍屋自転車店」を開店する。『青葉台駅チャリンコ2分』で小説デビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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「ガッテンだ! まかせとけ!」
そうさ、女は心意気!?
早大自転車部監督・村田統司(サブ)、厳しい優しさ(?)を注ぐ男子部員たち、ライバル女子部員・ミシュラン。自転車雑誌の編集長・小島オヤジ、自転車オタク揃いのスタッフ、実力のみで勝負のフリーライター達。ナイスガイの建築士・リーゼント三角。
みんな熱血漢です。そんな彼ら・彼女らに必死に食らいついていく女・鈴木カオリ。不器用だけど直情型でパワフルな彼女の生き方が圧巻。
主人公を初めとして登場人物の何とまあエネルギッシュなこと。半泣きになりながら&股ズレに苦しみながらの急坂登攀。まとまらない記事に頭をかきむしり、紫煙をくゆらし、ワープロの上に突っ伏し、酒をくらってくだをまいて潰れる日々。
しかし、こんな生き方してたら寿命が縮まりそう・・・。
やがて夫となるMTBの鬼(究極のMTBオタク)鏑木裕(カブ)との奇妙な出会い。カブの長年の夢であるMTB専門店・「轍(わだち)屋」を開業するまでが読み応えたっぷり。商品(自転車)を売るだけではなく、どうやって遊ぶかという情報を提供する店。チーム・走行会・コース開拓・・・。新婚旅行でMTBの聖地を訪れて考えたそのコンセプト&心意気や良し。
ですが、蓄えたお金がどんどん目減りしていく、自転車オタクだが仕入れの知識がない、生まれた子供は手がかかる(これは当たり前ですね)、現実から逃避しようとする夫・・・と、様々な紆余曲折の連続。夫婦の絆にはしょっちゅうひびが入り、会話がなくなり・・・いやー、そりゃもう大変。しかし、「ガッテンだ! まかせとけ!」精神&両親の支援、仲間の励ましで何とか切り抜けて遂に迎えた開店の日。
お客さん第一号・二人組の若い男性が爽やか。
半月板を痛めてランニングができなかった頃、よく自転車(ただし、ごく普通のシティサイクル)を乗り回し、ロードバイクでも買うかと自転車雑誌を読んで店巡りをしたこともあって、この破天荒な物語にのめりこんでしまいました。いやー傑作です。
この感想文を読んで拒否反応を起こさない人にはオススメです。
P.S.「だいこん」、「壬生義士伝」他の感想が書けていない(^_^;