prison-1prison-2プリズンホテル夏・秋(徳間書店)
夏-★★★☆:70点、秋-★★★★:80点

”おもしろうて、やがてホロリのプリズンホテル”

夏・秋と二冊続けて読みましたが、続編の”秋”の方が面白かったです。一作目(ここでは”夏”とします)は、もっとハチャメチャで破天荒な小説と思いこんで読み始めたのですが、予想以上に真面目で礼儀正しい従業員にちょっと拍子抜け。秋では、それは良い方に展開していったのですが、夏は序章といった感じでどうしても説明が多かったような気が。
また、やたらと女性を殴る主人公(?)の小説家は読んでいて気分が悪かったので5点減点。母親に捨てられたとはいえ、何でこうなるのか?
一方、母との約束を守って30年間日記を書き続け、まがりなりにも小説家になったエピソードはgood。

秋は、浅田次郎作品らしく”シミジミ系”も楽しみながら読みました。一泊二日という短めの物語にしたのが良かったですね。任侠団体様と警察団体様が同宿するという抜群の設定。梶板長いわく「学校の先生と医者と警察。これを称して三大無礼講と呼ぶ」
なるほど!
宴会での戦闘シーンはフォンデュの鍋や金串、皿が飛び交いましたが、もっと派手でも良かったかな?
いや、浅田作品は”笑い”と”シミジミ系”のバランスが真骨頂。

仲蔵親分もカッコ良かったのですが、お気に入りキャラは黒田副支配人。熊のような巨体ですが、しゃべりが面白い。教養も感じさせてくれます。「・・・と、あのクラウゼヴィッツも言っておりやす」
プリズンホテル独特の業界用語にも慣れてきた花沢支配人とは良いコンビですね。
梶板長と服部シェフも名(迷)コンビの予感。

抜群の存在感を示したのがバーテン(バーテンダー)”鉄砲常”。ゆったりとした静かな語り口の広島弁が迫力あり。
「・・・つかあさい」「・・・ですけ」「・・・ですかの」
おーっ、「仁義なき戦い」や。

宿泊した人が皆、幸せになって&元気になって帰るプリズンホテル。
秋では二人の歌手が出てきたこともあり、何となく「失恋レストラン」の歌詞を思い出しました。

ネェ マスター 作ってやってよ 涙忘れるカクテル♪
ネェ マスター 唄ってやってよ 痛みをいやすラプソディー♪

残り2冊も読まねば。

参考ブログ:♪ウサギ・絵・花・本・写真・・・♪