小林信彦の小説「ドリームハウス」
(新潮社、新潮文庫 共に絶版)
渡辺武信氏の著書「住まいの作り方」で紹介されていた家づくりにまつわる異色の小説。ブラックユーモアの要素:大。
渡辺氏と同じく、施主(男・女)と若い建築家の会話で笑える箇所を抜粋転記してみました。
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「ホームパーティをいたしますから」
瀬里奈はとんでもないことを言う。
「リヴィングには出窓が欲しいわ」 彼女は相手の言葉を聞いていなかった。
「白い出窓に紫のシクラメンの鉢を置きたい」
「ディテイルから出発するなよ」と僕は制した。
「こちらは小説で言えば、全体の構想を練っておられるところだ。突然、登場人物の一人の服装の話を持ち出されても混乱するだけだ」
「いえ、大丈夫です」
青年は遠慮がちに笑った。
「ご婦人は、だいたい出窓から話を始めます。鉢植えはたいていシクラメンで、花の色が違うだけです」
「私の部屋はどうなるのかしら?」
「出窓の脇はソファよ。シンガポール産の籐のソファかヨーロッパのソファか迷っているんだけど」
彼女は考える様子だった。おそらく頭に<完璧な絵柄>ができ上がっているのだろう。
「駄目・・・」と、ゆっくり言った。「そこには大きめのテーブルが入るの」
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どうですか? 笑えません?
私は実に良くできていると思ったのですが。
女性に怒られるかな?
(新潮社、新潮文庫 共に絶版)
渡辺武信氏の著書「住まいの作り方」で紹介されていた家づくりにまつわる異色の小説。ブラックユーモアの要素:大。
渡辺氏と同じく、施主(男・女)と若い建築家の会話で笑える箇所を抜粋転記してみました。
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「ホームパーティをいたしますから」
瀬里奈はとんでもないことを言う。
「リヴィングには出窓が欲しいわ」 彼女は相手の言葉を聞いていなかった。
「白い出窓に紫のシクラメンの鉢を置きたい」
「ディテイルから出発するなよ」と僕は制した。
「こちらは小説で言えば、全体の構想を練っておられるところだ。突然、登場人物の一人の服装の話を持ち出されても混乱するだけだ」
「いえ、大丈夫です」
青年は遠慮がちに笑った。
「ご婦人は、だいたい出窓から話を始めます。鉢植えはたいていシクラメンで、花の色が違うだけです」
「私の部屋はどうなるのかしら?」
「出窓の脇はソファよ。シンガポール産の籐のソファかヨーロッパのソファか迷っているんだけど」
彼女は考える様子だった。おそらく頭に<完璧な絵柄>ができ上がっているのだろう。
「駄目・・・」と、ゆっくり言った。「そこには大きめのテーブルが入るの」
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どうですか? 笑えません?
私は実に良くできていると思ったのですが。
女性に怒られるかな?