(私がアットホームなホテルを探すまでの道のりは割愛します。)

 

私が初めてそのホテルに行ったのは、日が短くなりつつあるバンクーバーの冬の気配がする11月でした。海外ではよくある仕事探しのスタイルなのですが、アポなし、履歴書を持ってダウンタウンの中心にあるホテルへ直接飛び込んでいきました。(これを経験したことで心臓に毛が生えたと思います)

ホテルのフロントで「ハウスキーパーの仕事の募集を見て来たんだけど、担当者はいる?」そんなことを話し、しばらくロビーで待つことに。数分後、恰幅のいい老年女性で中国人のエイミーが目の前に現れました。彼女がのちのち私のボスになります。なんでも20年以上ここで働いており、1位2位を争うベテランだとか。

彼女は「よく来たね、下でコーヒーを飲みながら」と私を地下に案内しました。このホテル実は築100年以上の歴史ある建物をリノベーションしており、土地もそんなに広くないため、ハウスキーピング部門、マーケティング部門、CEOの部屋、朝食が出されるレストラン(兼私たちの休憩場所)は全て地下にあったのです。

彼女のテンションに押されながらも、面接では練習の成果を出さなければいけない、という思いで私は連日家で叩き込んだ質問内容の回答を必死に繰り返していました。その時は、ここで働きたい!真摯にそう思っていたのでした。

そんな私の緊張した雰囲気を察したのか否か、「ここのコーヒーは飲み放題よ、もっと飲んで飲んで」ともてなす彼女。面接は和やかな対面カフェスタイルで始まりました。結局エイミーは私の話を聞くというよりは、私自体を見ているという感じ。準備した言いたいことも3割くらいしか話さず、その場で採用が決定したのです(恐らくエイミーのフィーリング重視)

あとあと同僚から聞いたのですが「エイミーは日本人が来たことをすごく喜んでいた」と言っていたらしいです。日本人マジックとでもいうでしょうか。外国における日本人の信用度の高さをこういう形で実感するとは思いませんでした(先人よありがとう・・・お願い

 

拍子抜けした面接から数日後、濃いメンバーとの対面ハードな仕事内容を知ることになるとはaha