2017年4月3日、1ヶ月前の今日、ケディが村を去った日。

理由はシエルと同じ、強い優真にジワジワと自分の居場所を奪われ、最終的に村を追い出されてしまったから。

村を去る前日、ケディは私に向かってファーッと2回。

ケディに責められたのは、初めてだった。

もうアイツ(優真)をどうにかしてくれ、もうここには居られない、そう言わんばかりに…

怒りに満ちたケディの姿に、私は謝ることしかできず、しかもこの姿が最初で最後になるなんて、今も自分の無力さを痛感している。

優真にボスの座を奪われたシエルは、自分の弱さを隠さず、ありのままの姿で、私に別れの挨拶をし、村を去った。

けれどケディは、私に怒りをぶつけながら、最後までニャンバー2の姿のまま、村を去った。

ある意味、ケディらしいけれど…

村のニャンバー2になるための心得を、熟知していたケディ。

偉大なボスだったシエルは、いつも近所の人達から称賛されていたが、有能なニャンバー2のケディが大きく注目されることは、あまりなかった。

しかし、ニャンバー2だったケディの行動には深みがあり、2番手の役割には様々なアクセス権が付与されていた。

村で何か問題が起きたとき、スポットライトを浴びることはなかったし、表立って動くこともなかった。

けれど、最も力を発揮するニャンバー2は、ボスに異議を唱えたり、間違いを指摘したりしながらも、リーダーたるボスを支え、確実に実行してきた。

ケディが必ずしも注目を浴びなくても、物事が首尾良く進み、村全体のエネルギー+他の猫ちゃ達の士気が高まっていたのを見ると、やはりケディの居場所は村であり、村でしかなかった、というのがわかる。

猫ちゃ村という組織内で、力強い猫脈を築いてきたシエルとケディ。

その間に、私は決して入らなかったし、入れなかった。

シエルとケディは、同士であり、戦友だったから…

以前、姉が言っていた。

村の中で唯一、血縁関係がないケディをシエルが受け入れたのは、自分の片腕として最も相応しいパートナーだったからだと、やはり私も同感。

あまりにも強くて優しいシエル、どんな時も冷静に自分のペースを貫いてきたケディ、2匹の友愛、連携プレー、その姿をもう見ることができないのも、最期の瞬間を見届けることができないのも、村の環境や猫ちゃ達の変化に対応できなかったのも全て、私の力不足でしかない。

自分を責めているわけではないけれど、どうしてもそう思ってしまう。

最高のニャンバー2として、ボスと共に村を守ってきたケディ。

けれど今は、もういない。

今どうしているのか?生きているのか?死んでいるのか?

ただただ、会いたい。

偶然で良いから、スレ違うだけで良いから…