(クリスマスにちなんで何か妄想を書きたかった)
街はクリスマスで賑わっています
男の子は貧しい家で育ちました
昨年も、そのまた前の年も
くつしたの中はからっぽです
ある年のクリスマス
女の子がさみしそうに座り込んでいました
「どうしたの?」
「今年もプレゼントをもらえなかったの」
「今年も?」
「良い子じゃないから、ずっともらえないみたい」
男の子はなんとか彼女に元気を出してほしくて
今までためたおこづかいでプレゼントを渡しました
「サンタクロースはいそがしくて来れなかったけど」
「ぼくからのプレゼント」
女の子はおどろいてたずねました
「どうして良い子にしていないのにプレゼントをくれるの?」
「ずっと我慢していたんだよね。僕にはわかるんだ」
女の子はうれしくて泣き出しました
男の子もそのすがたを見て泣き出しました
そんなお互いを見てふたりは大笑いです
街はクリスマスで賑わっています
そこには幸せそうなおじいさんとおばあさん
「わたしたちが出会ったのもこの時期でしたね」
「そうだったかの」
「初めてあなたにもらったプレゼント忘れもしません」
「そんなこともあったかの」
その時、おじいさんはとても恥ずかしくて言えませんでした
与えるよろこびを教えてくれた女の子との出会い
それが男の子がもらった初めてのプレゼントだったなんて