昏睡 | HIRO'S HEROES

HIRO'S HEROES

みんなで自分探し!
+a little bit of music!

----------------------------------------------
 日本は三十年前に目覚めたりといふ。
然れども半鐘の声で急に飛び起きたるなり。
その覚めたるは本当の覚めたるにあらず。
狼狽しつつあるなり。
ただ西洋から吸収するに急にして消化するに暇なきなり。
文学も政治も商業も皆然らん。
日本は真に目が醒ねばだめだ。

----------------------------------------------
夏目漱石氏の日記より

----------------------------------------------
 最も天皇を冒涜する軍人が天皇を崇拝するが如くに、我々国民はさのみ(そのようにだけ)天皇を崇拝しないが、天皇を利用することには狎(慣)れており、その自らの狡猾さ、大義名分というずるい看板をさとらずに、天皇の尊厳の御利益を謳歌している。
何たるカラクリ、又、狡猾さであろうか。
我々はこの歴史的カラクリに憑かれ、そして、人間の、人性の、正しい姿を失ったのである。

----------------------------------------------
坂口安吾氏「堕落論(続堕落論)」より



 漠然と生きながらも、何か違和感を感じる方はいるでしょうか。
自分を偽らなければ生きていけない、また、偽っていることに気付いてはいけない。
日本の精神を持って生まれ、欧米の文化に浸食された時代を生きている方は、どこかそんな感じを持っているように思います。
偽善、欺瞞を身にまとうことで体よく生きていくことが出来るこの時代では、個々の人格は希薄となり、大衆に迎合することで(偽の)充足感を得られます。
偽の充足感では生と死に拘束された、人の、魂に真の自由をもたらすことはできないと思います。
非自由の中で自由を謳うことに虚無を感じますが、そういった時代を生きているので仕方ありません。
しかしながら、人類は周期的に真実を発見しては理想に埋没し、それを繰り返しているように思います。
この仮想的、虚無的な過渡期を、厭世観に基づいた楽天的な懐疑主義で、生き続けたいと思います。