バレーボールの体験

 

私自身の人生を振り返って、

ふと思い出したことがあります。

 

高校生の時、バレー部に所属していました。

 

中学の3年間もバレー部、
弱小チームで1回戦突破もできないチームでしたが、
なぜかバレーボールへの好奇心が続き、
鍛錬もあり、エースアタッカーをやっていました。

 

ただ、高校に入ると、
中学の時とはまったく異次元。

 

最初は、先輩たちの練習をただ見学していましたが、
スパイクのボールの音や受けた時の重み、
自分の背丈近く飛ぶ見たことないジャンプ力、
倒れるまでやり続けるサーキットトレーニングなど、
何もかも格の違いが明らかで、驚愕でした。

 

そして、当時の新入部員の1年生は10名以上、
その10名はみな、県大会や全国大会参加など、
バレーボールの地元強豪校からきている人ばかり、
弱小チームの中、好奇心と楽しく取り組んでいただけの
自分とはレベルがまったく違っていました。

特に、身長が高くなかった私は、
ネットの高さなどの高校生基準での対応が厳しく、
厳しいトレーニングの中、徐々に、筋力や体力など身体能力は
変わっていったものの、

即戦力やレギュラーでなく、
今でいえば、リベロとかピンチサーバーなど、
後衛で機能する役割に徹するしかありませんでした。


 

入部後、数ヶ月もすると、
環境にも慣れ、様々な練習に参加するようにもなり、

ただ、体格含む身体能力はまだまだ足りず、
 

練習ではレギュラー陣に対して、
サーブを打つ役割で関わることが多くなりました。


 

例えば、

コートに入った6名のチームメンバーに対してサーブをし、
そのサーブを受けて、

チーム側の攻撃のコンビネーションを練習するシーンの際、
私がサーブを打つ役になる、など。


 

当時のその練習で、自分が発見したこと、


いまとなっては「魔球」とも呼べるものがあったことに
ふと気づいたのです。

 

 

 

魔球の発見



その魔球は、

 

何度も相手コート側にサーブを打つ中で、
私がまっすぐサイドライン上を狙って、

打った時に発見しました。


打っているサーブそのものは、
何の変哲もない

速度もない、無回転でゆっくりまっすぐ動くサーブ。


それが、ライン上、まっすぐゆくと、
その後レシーバーの前で、

ラインの外に曲がって出ていってしまう

 

レシーバーは、ラインの外に出ると思い、
「アウト!」と声を出し、ボールに手を触れない


ところが、次の瞬間、


ボールはラインの内側に微妙に戻り、コート内に落ちる。

 

結果的に、レシーブできず、サービスエースになる。


 

最初は、


たまたま偶然そういう変化をしたのかなぁ、
程度でしたが、何度も回数を繰り返すうちに、
こんなシーンを何度も目撃して、確信を持ち、

 

なんかすごく楽しくなり、


何度も何度も、実験していました。

 

 

成功率100%ではなく、
10回中4,5回程度、サーブの挙動と、
サーブが成功するのを目撃していたと思います。

 

なんなくレシーバーが拾ってしまうこともあり、
そうなると何の変哲もない、

ただの平凡な弱々しいサーブ

 

自分がサーブの実験を繰り返していると


当時の顧問の先生が、

 

「おい、ストレートばっかり打つな!

もっとボールを散らして打て!」

 

と言われ、かなり残念に思った記憶があります。

このサーブは、
 

コート真ん中に打っても、

威力も効果もない平凡な球


 

その後も、顧問が見ていない時、
そしてコート内ライン際に受けてくれる人がいる時、
こっそりと、何度も試していました。

 

 

魔球の正体

 

これが、私しかしらない魔球、
その魔球の正体とその秘密
です。


すごく速く威力あるジャンプサーブや
野球のナックルともサッカーの無回転とも違う、

 

ただの何の変哲もない、平凡なサーブ。


 

スピードもない、回転もない、
派手さもない、ほんとうに普通。


 

一見、何の特殊性もない。


 

なのに、

 

ストレートのライン際でふわっと外に流れて、
レシーバーが「アウトだ」と判断し、
その後、フワッとコートに戻ってインになり、

サーブが決まる。

 

だけど、

 

周囲からはサービスエースには決してみえない。
ただレシーバーが、アウト判定をミスっただけにみえる。


サーブそのものの特殊なことに、

誰も気づかない、目立たない。

 

それも相手(レシーバー)の誤認がないと

成立しないし報われない。

 


 

魔球はごくごく普通のサーブなのですが、

 

レシーバーという
 

相手がコートのライン際に立つこと、
その誤認があること、
サーブが決まっても、

サーブのおかげにみえないこと、

 


これが、

 

私しかしらない切ない魔球の正体なのです。

 

 

 

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