「先生、お世話になりました。あの~それから・・・今日、僕がここに来た事は彼女には内緒にして下さい。彼女、有紀に僕には言わないでって言ったらしくて・・・彼女が僕に心配をかけたくなかったんだと思うし、来た事を知ったら今以上に心配すると思うから・・・だからお願いします」

また隠し事・・・

すべてを芽衣に打ち明けていたら、彼女が倒れる事も、今僕が心に想ってる事もなかっただろう・・・

不意に淋しさが僕を襲い、涙がこぼれ落ちそうになるのを必死にこらえ、急いで診察室を出ようとした。

そんな僕の態度が気になったのか、中西先生はもう一度確認するように尋ねてきた。

「瞬君、あなた本当にサッカーはもうしないわよね?」

「ちゃんと辞めますよ・・・大丈夫です・・・」

そう言って僕は振り返らず、診察室のドアを静かに閉めた。

先生と目が合ってしまったら、僕が言った事が嘘だとばれてしまうから。

「よくあんな体で今までサッカーを・・・立ってるだけでも辛いはずなのに・・・そこまで無理をしてサッカーを続けなくてはいけないなんて、みんなあの彼女の為なのかしら?このままじゃ、彼の方が壊れてしまう・・・」



          ・・・つづくあせる