赤ちゃんは男の子で、今年4月にメキシコのヨルダン人夫妻の下で誕生しました。健康状態は良好だそうで、母親は「リー症候群」と呼ばれる遺伝性の神経系障害を持ちながらの出産となりました。
【リー症候群とは?】
別名ミトコンドリアDNA突然変異とも呼ばれ、ミトコンドリアの働きが低下することが原因で起こる病気を総称して、ミトコンドリア病と呼ばれることもある。病気の核となる部分がどこであるかにより病名が変わる。種類としては、ミトコンドリア脳筋症、肝症、心筋症などがある。リー症候群の原因となる遺伝子は、母性遺伝するミトコンドリアDNAに含まれる。父性遺伝はない。
夫妻は、自分たちの遺伝子を受け継ぎつつも健康な赤ちゃんを産むため、米ニューヨークにあるニュー・ホープ不妊治療センターを訪れました。
しかし、米では3人の遺伝子を持つ受精卵の不妊治療目的での作製が認められていないため、「規制がない」メキシコで治療を行いました。
リー症候群の原因となる遺伝子は、上記に記した母性遺伝するミトコンドリアDNAに含まれているため、紡錘体置換法と呼ばれる技術を使い、母親の卵子から核を抽出し、卵子提供者の卵子に移植。母親の核DNAと提供者のミトコンドリアDNAを併せ持つ卵子を作製し、父親の精子で受精させた。
