件のカメムシくんたち……。
日中、見つけては駆除。見つけては駆除を繰り返した。
数時間のうちに2-300匹はご愁傷様と唱えつつ葬り、夕飯の時間となった。
明かりをつけると、電灯のまわりにまた群がってくるのだ。
いったい、どれだけいるのだろう。
冬眠しかかったところを叩き起こされ、寒くなってストーブをつけたものだからまた目覚めて飛び交うカメムシ航空隊(;一_一)
とりあえず、電灯に群がる十数匹を殺処分(=_=)
ところがものの10分もしないうちに、また十数匹群がっているではないか!
……。
キリがないので、放置して料理をするしかない。
これほどの大群ではなかったにしろ、以前にも調理中に鍋に飛び込んでしまうのでホトホト困る存在ではあった。
飛びこまれたら、一瞬にして湯豆腐が苦味を伴った青汁味のようになってしまうのだ。
ナポリタンパスタもトッピングのようにパスタの頂点に落下された時も、一瞬にしてカメムシ味になってしまったこともある。
オーブントースターを開けてみたら、トースター内部に潜入していたらしく、チーズトーストがカメムシ味だったこともある。
珈琲ドリッパーの底部裏に潜んでいたらしく、蒸気で蒸されて亀蒸し珈琲になってしまったこともある。
なので、まず調理器具系を点検したら、離れたところに誘導ライトをつけておいて、夜に調理する場合キッチンは暗闇で調理して暗闇で食べるしかないのだ。
暗闇で作業するものだから、うっかり入ってしまってても気付かないので、皿に盛ってから「残念」ということもあった。
暫く家を空けていたものだから、その発生率や潜伏率はハンパない。
毛布を点検して暗闇で寝ていても、時折ブーンブーンと羽音が聴こえるのでオチオチ寝ていられない。
おとなしくしてくれていればいいものを、暗闇で飛んで何かにぶつかって寝ている顏の上に落ちてくることもある。
首筋に入られたりなんかしたら、もう飛び起きるしかない。
彼らは自分の失態で人についたときは臭いを出さない。
生命の危険を感じた時に異臭を出すのだ。
おちついて対処すれば問題ないのだが、いかんせん、今回はその数が多すぎる!
忌々しい存在である。
山小屋はスキマだらけなので、カメムシに限らず、不快害虫はどこからでも入ってくる。
しかし圧倒的にカメムシの数が多い。
そして冬眠覚めた春先には外に出られなくなっているのだから、さながらこの山小屋は「カメムシホイホイ」といって過言でない。
私がやれることはオンタイム処理だ。
見つけたら駆除……。見つけたら駆除……。
思えばここに来たばかりの時もおびただしい虫の死骸を掃除することからはじまった。
あの時はGWで虫たちは冬眠レストハウスから外へ出て行ったあとだったので、脱出しそびれた虫たちの死骸掃除で済んだが、今回は対象が物陰に隠れたり夜間に隠密行動で動き回るから厄介だ。
そんなわけで、山小屋暮らし再開は「掃除」「片付け」「害虫駆除」からはじまった。
それでもこれから、ここを自分の楽園にするためにアレコレ考えているのだから、我ながら酔狂なもんだ。