前回のコラムでは、日本人の海外旅行者に関することを書きましたので、ついでに現在の日本人海外旅行者数はどれくらいか年齢差と性別による差を調べてみました。
法務省の出入国管理統計では、2018年の日本人海外旅行者数は過去最高の1,895万人となっています。
海外に出た日本人の状況:月別
海外に出る日本人のデータを月別の最新データでみてみます。
ここには年齢区別はありませんが、月別に出国した日本人の数の状況をグラフ化しています。時期によっては観光旅行のオフピーク期である国や地域も含まれますが1年を通じての全体像がみえます。全体では8月が最も多く、次いで3月となっています。秋期も海外への出国者数が比較的多くみられます。
海外に出た日本人:年齢及び性別
では、次に海外に出日本人の年齢及び性別についてもみていきましょう。
海外に出た日本人の年齢別状況をみると、全体では40歳代前半が最も多くピークがみられますが、年齢が上がるにつれて人数の減少がみられます。70歳以上の棒が若干長くなってみえるのは、それ以上の5歳毎の年齢層のデータがひとつにまとめられているからです。
男女の棒を分けた別のグラフで海外に出た日本人の年齢及び性別状況をみると、男女で違ったパターンがみられます。
男性は40歳代前半のピークに向かって徐々に数が増え、その後年齢の上昇とともに数の減少がみられます。女性については20歳代前半の早い時期にピークを迎え、その後の数は徐々に減少に向かいます。50歳代前後に若干の上昇がみられる程度です。
データを読み取るときに注意すべきこと
このように海外に出る年齢層の違いだけではなく、男性と女性の行動差もありますので、海外旅行のビジネスアプローチも考えなくてはなりません。その際には、夫婦(また家族)としての旅行か単身で旅行ツアーに参加されているのかなど調べていく必要があるでしょう。
さて、今回示しているのは海外旅行だけのデータではなく、出張など別の理由で出国される方々も含まれています。
また、海外に何度も出ている人はその回数分がのべ人数のなかで数えられています。すなわち同一人物が2回海外出国を行うと、2人分として数えられていることになりますので注意が必要です。
ちなみに、これらのデータでは出国する日本人の年齢層の差をみており、加齢変化をみているわけではないので、注意が必要です。すなわち、年齢を重ねるとともに海外旅行の頻度がどのように変化するかをみているわけではありません。
参考:
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by シニアアクセス