久しぶりに訪れる場所の、街並みの変化を見るのが好きだった。

少しの変化は懐かしさを余計に強調してくれる。


反対にいつも通る場所がいつもと違う景色に見えるとき、僕はよく恐怖を感じる。

例えば、終電後の電気の消えた駅や、遮断機が降りていない踏み切りをゆっくりと走る貨物列車。

まるで、そこだけハサミで切り取って、どこか別の場所から持ってきた風景を無理矢理くっつけたような違和感がある。

同時に僕自身が世界から切り取られたような不安につつまれる。



違和感。



違和感は時々僕に襲い掛かってくる。いつも話している単語が、たまにしっくりこなかったり。写真に写る自分の顔が別人のようだったり。


そんな時、僕はよく昔の事を思い出す。好きだったあの子と一緒に眺めた病院の風景、、

外から見た病院をあれほど恐ろしいと思ったのはあの時だけだ。

それぞれの病室からこちらを見る患者達や看護師達はまるで、命を取られた人形のようだった。





あの日から14年。今日僕は、ブックカバーを買いました。