お知らせ遅くなりましたが、先週2020年1月30日(木)に西東京商業ビル「イング」において西東京商工会主催の経営者向けスマートフォン(スマートフォンカメラ)活用セミナーが開催され講師として登壇しました。
参加された皆様、実際にご自身のスマートフォンを使った体験コーナーに取り組んでいただき、また熱心にご質問も多数いただきありがとうございました。
特にAR(拡張現実)を使ったビジネス活用の体験コーナーに皆さん興味を持っていただいたようですね。
今回のセミナーが皆さんのビジネスに少しでもお役に立てれば幸いです。


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このコラムでは、DX(デジタルトランスフォーメーション)にはじめて関わる方、これからDXに取り組まれる方を対象に、DXとは何か?また企業がDXに取り組む際のポイントについてお伝えします。

 

みなさま、新年明けましておめでとうございます。BIPの小川 浩幸(おがわ ひろゆき)です。

DX元年とも呼ばれた2019年が終わって、新たに2020年を迎えました。今年は経済産業省にて、企業の戦略的なシステム利用の指針となる「デジタルガバナンス・コード」の作成、また同指針に沿った企業の格付け制度「DX格付(仮称)」がスタート予定です。またAI人材の育成支援事業も予定されるなど、昨年に引き続きDXが企業の重要テーマの一つとして注目される1年になりそうです。

さて新春初回となる今回のブログでは、昨年投稿した第1回~第6回コラムでご紹介したDXの解説を改めておさらいしていきたいと思います。

 

■DX全体図(第1回目~6回目までのおさらい)

これまでのコラムでお伝えした「DXが注目される背景」、「DXの目的」、そして「DX推進の取組み」の概要を下の図にまとめています。

 

 

図:DXの全体像

 

 この全体図をもとに第1回目~6回目のコラムの内容を振り返っていきましょう。

 

DX(デジタルトランスフォーメーション)とは?

第1回では、DX(デジタルトランスフォーメーション)とは何か?について触れました。

DX(デジタル変革)は「新たなデジタル技術を活用してこれまでにないビジネスモデルを創出・柔軟に改変すること」です。様々な業界で、AIやIoT、ビッグデータといった最先端のデジタル技術を取り入れた新しいビジネスモデルが数多く生み出されていることをご紹介しました。

 

3回  DXが注目されている背景① 2025年の崖

 第2回、3回では、なぜDXが注目されているのか?DXが注目される背景の1つとして「2025年の崖」を解説しました。

 

図:DXの背景と目的「企業視点のDX」

 

 経済産業省が2018年9月に公表した「DX(デジタルトランスフォーメーション)レポート」では、日本の各企業がデジタル変革のためにかけられるIT予算、人材が今後ますます不足していく傾向にあり、2025年には国際競争力の低下、システムリスクによる経済損失の肥大化が予測されており、「2025年の崖」として問題提起されています。

 

2025年の崖として問題提起されている4つの問題

①2025年には、基幹系システムを21年以上稼働している企業の割合が全体の60%を占めるようになる。

②企業のIT予算の90%以上が、ランザビジネス(保守運用)予算に費やされ、バリューアップ(研究開発、業務効率化など)の予算が捻出できなくなる。

③既存システムの保守運用のためのコストがかかり、IT人材もそちらに費やされる。結果、2025年の試算としてIT人材が約43万人も不足する。

④既存システムの老朽化やブラックボックス化に起因するトラブル、システムリスクが高まり、試算として2025年以降、年間で最大12兆円の経済損失が発生する。

 

これら2025年の崖の問題、また国内の人口減少と生産性の低下といった企業内の課題を解消し、業務の効率化や自動化を実現する目的からDXを推進する企業が増加傾向にあります。

第4回では、この2025年の崖をどのように乗り越えていくか、長年運用し続けている旧態依然システムの刷新をどのように対応していくかについても解説していますのでよろしければ遡ってご覧ください。

 

 

  DXが注目されている背景② 産業の創造的破壊とゲームチェンジ

第4回では、なぜDXが注目されているのか?DXが注目される背景の2つ目として「産業の創造的破壊とゲームチェンジ」を解説しました。

スマートフォンを所有するユーザーの約3割が利用しているといわれるQRコード決済、そして10年前に登場したiPhoneの事例をもとに、デジタルビジネスにおける創造的破壊、ゲームチェンジについて解説しました。

 

図:DXの背景と目的「サービス視点のDX」

 

 

「創造的破壊」とは古く保たれた秩序を壊して、新しい経済産業を創造し、さらには社会全体の生産・品質・サービスを向上させていくことです。

そして「ゲームチェンジ」とは、従来からの見方や考え方を変換させて,人々の行動様式や社会の制度を一から変えてしまうような技術的変革や社会的変革のことです。

上図に記載のUber、AirBnBに代表されるようなシェアリングエコノミー(インターネットを介して個人と個人の間で使っていないモノ・場所・技能などを貸し借りするサービス)、Amazonや各SNSサービスといった創造的破壊、ゲームチェンジを代表するサービスが次々と生み出されています。このような短い期間で創造的破壊やゲームチェンジが繰り返される背景から、「デジタルによる新たなビジネス創出」や「顧客体験の創出」を目的としてDXを推進している企業が増えてきています。

 

第5回 企業におけるDXの取組み (「戦略・目標」「組織・体制」)

第5回では、企業がDXに対応していくためにどのような取り組みを行っているのか?企業の様々な取り組みのうち「戦略・目標」、「組織・体制」に関わる取り組みについて、DX推進企業の事例を交えて解説しました。

 

図:DX推進の取組み「戦略/組織体制」

 戦略・目標の視点として、DX失敗の主要因となっている「デジタル化のためのデジタル化」(デジタル化そのものが目的になっていること)に陥らないよう、DXの目標を経営視点で明確にすることの重要性を解説しました。

また組織・体制として、DX推進を検討する事業関係者・デジタル技術担当者が一体となった全社的なDX推進プロジェクト(企業によってはDX統括部門)を設けること、またDX推進のために経営層自らが積極的にDXに関わっていくことの重要性を解説しました。

 

 企業におけるDXの取組み (「制度・プロセス」)

図:DX推進の取組み「制度・プロセス」

 

そして、前回の第6回では、企業におけるDX推進にあたっての「制度・プロセス」に関わる取り組みについてDX対応企業の事例を交えて紹介しました。

DX推進の制度の事例としては、事業提案を促すための人事評価制度全社でDX人材育成の好事例を共有しあう取り組み、社員のデジタルサービスにおける情報共有スペースの設置各事業に対して個別にDX予算をつける制度などを紹介しました。DX推進のためには、組織体制の構築のみならず、社内の新しい挑戦、継続的な挑戦のマインドセット醸成、活動を支援する制度が必要であることをお伝えしました。

また、DX推進のプロセス(過程や方法)においては、DX対象となる事業内の機能やサービスを細分化し、ビジネス要求の変化を受け入れて、変化に適応する取り組みを図っていく手法(スモールスタートやアジャイル開発)を紹介しました。あわせて、ビッグデータを活用したビジネスの高度化を図っていくためにも情報(データ)の集約化の必要性についても解説しました。

 

■まとめ

 さて、これまで第1回目~6回目で解説したDXの概要を振り返ってみました。コラムを途中から読まれた方は、過去のコラムも参考にしていただけると幸いです。

次回からは、今日まとめた概要をベースに、より具体的に先端技術を活用したDXの事例の解説をスタートしたいと思います。

それでは本年もよろしくお願いいたします。

以上

このコラムでは、DX(デジタルトランスフォーメーション)にはじめて関わる方、これからDXに取り組まれる方を対象に、DXとは何か?また企業がDXに取り組む際のポイントについてお伝えします。


■前回までのおさらい
前回(第5回目)でも、なぜいまDXが注目されているのか?2つ挙げた理由のうち2点目「産業の創造的破壊とゲームチェンジ」を取り上げました。
創造的破壊、ゲームチェンジが繰り返される事業環境においてDXを推進していくにあたっては、経営・事業戦略を捉えた全社的な組織・体制の取り組みが重要であることを解説しました。今回はその続きとして「制度・プロセス」に関わる取り組みについて、DX推進企業の事例を交えてお伝えします。

図:企業におけるDX推進

■DX推進のための制度、仕組みづくり

前回もご紹介した「攻めのIT経営銘柄2019」※1では、経営革新、収益水準・生産性の向上をもたらす積極的なIT利活用に取り組んでいる企業を選定し、その活用事例やアンケート結果を紹介しています。

 そのアンケート調査結果より「データとデジタル技術を活用した新たな取組等(省略)を支援する制度、仕組みがあるか?」との質問に対して「ある」と回答したDX推進企業が97%と、その他企業と比較しかなり高い結果となっています。


図:攻めのIT経営銘柄2019 アンケート調査結果より

 このアンケート結果から、DX推進のためには前回のコラムで解説した組織・体制構築のほか、企業内に新たな取り組みを支援する制度や仕組みづくりも必要であることがわかります。

 ではDX推進にあたって各企業でどのような制度、仕組みをもっているのでしょうか。いくつか事例を紹介します。

①ある不動産会社では、企画部門において社員個人が持っているDXアイデアを引き出して新事業創出を促していくための取組みとして、予算・人事・インセンティブ面でのサポートを充実させた事業提案制度を設けています。

②また、システムインテグレーターのある企業では、社内で新規デジタルビジネスを創出できる人材の不足に課題がありました。そこで各事業部門がもつ既存サービスのDXを実現する推進チームを各事業部内に発足して、全社でDX人材育成の好事例を共有しあう取り組みを進めています。

③そして、ある商社においては社員のデジタルサービスにおける情報共有と、活発なコミュニケーションの拠点となるスペースを社内に設け、最新の IoT や AI 等の体験を意見交換できるようにするほか、出したアイデアが即、DX推進につながるように各事業に対して個別にDX予算をつける制度を導入しています。

 ④最後の事例です。ある企業では以前から社長と社員との1対1の面談を定期的に行っていました。業務上の課題点や会社に対する要望を社長自身が肌身で感じる場として有効なものでしたが、社内にDX推進組織を立ち上げて以降は、社長自身が社内のIT環境やデジタルマーケティング、世の中のデジタル動向で感じている点などDX観点でも積極的にヒアリングし、全社的なDX推進を社員に意識づける取り組みを行っています。

 いかがでしょうか。DX推進のためには、組織体制の構築のみならず、社内の新しい挑戦、継続的な挑戦のマインドセット醸成、活動を支援する制度が必要となることがイメージできたのではないでしょうか。

■DX推進のプロセス(過程や方法)

 上述した制度を導入後、実際にDXを推進することを考えてみましょう。例えば以下のようなプロジェクトを想定します。

 ・RPAを導入し、社内の運用業務の自動化、効率化

・旧態依然の社内の基幹システムをクラウド型サービス上に刷新

・AI技術を活用しマーケティング自動化の実現

・先端デジタル技術を活用した新たなシェアリングエコノミーサービスを事業化

それぞれ目的が異なるため、当然ながら実現するためのプロセス(過程や方法)も様々です。しかしDX推進のプロセスにおいて共通する観点が2点あります。

①機能やサービスの細分化

②情報(データ)の集約化

それぞれについて解説していきます。

①機能やサービスの細分化

  上記で挙げたうち「旧態依然の社内の基幹システムをクラウド型サービス上に刷新」のDX推進の例で考えてみます。社内の基幹システムの刷新となれば、大規模なシステム開発、導入となります。かつてのシステム開発プロジェクトでは下図のようなウォーターフォール型の開発が主流でした。ウォーターフォール型開発とは、システムの開発を上流から下流までの複数の工程に分けて順に段階を経て開発する方法です。 前の工程には戻らない前提があり、下流から上流へは戻らない水の流れにたとえてウォーターフォールと呼ばれています。プロジェクト終了までビジネス要求の変化がない(もしくは変化が予測可能な範囲内である)ことを前提に開発フェーズで定義した要件に従って品質、コスト、期間がしっかり守って開発されます。

図:ウォーターフォール型開発

しかし、産業の創造的破壊とゲームチェンジが短いスパンで起こり得る今の時代、数年間かかる長期プロジェクトであれば、開発途中にビジネス要求が変わることは容易に想像できます。そこでビジネス要求が変わることを受け入れて、変化に適応する取り組みが求められます。

 かつては、システム資産を自社で「保有する」ことが主流の時代でしたが、現在はクラウドサービスを「利用する」時代に変化しつつあります。クラウドサービスは利用したいサービスをニーズにあわせてボリューム、期間を決めて利用できる利点があり、DX推進においてはクラウドサービスのこの利点を活かしてシステムを段階的に細分化して開発するケース、いわゆるスモールスタート※2やアジャイル開発※3の手法を採用する事例が増えてきています。


図:段階的な開発・移行モデル

上図は段階的な開発・移行モデルの例ですが、先ずは特定の機能(機能A)をスピード重視で先行移行(開発)します。先行移行する対象をどの機能にするか、その判断は企業によって様々ですが、比較的導入しやすく小規模な業務、事業を選定するケースが多いようです。この手法のメリットは、次のステップ以降、前のステップの開発実績に基づいて手戻りのないスピード感の高い移行を進めることができる点、また前のステップを対応した後に発生したビジネス要求の変化を後続のステップで取り込むことを選択できる点です。(段階的な開発・移行モデルの詳細は、次回以降のコラム内でも解説します。)

②情報(データ)の集約化

機能やサービスの細分化をそのまま進めた場合、各機能・サービスに情報が分散、分断されてしまう点が懸念されます。ビッグデータを活用したビジネスの高度化を図っている企業が増えているなかで、情報(データ)全社的に集約することが重要です。

 そのための取組として、企業内の各システム、データをETL ※4、EAI ※5といったシステムでつなぎ合わせることで情報を集約化する事例があります。あわせて、各システム、ユーザー部門が持っている情報の種類をシステム部門が正確に把握できるようITガバナンスを整備する事例もあります。


■まとめ

経済産業省は2020年春に、企業の戦略的なシステムの利用の在り方を提示する指針として「デジタルガバナンス・コード」を作成し、またあわせて同指針に沿った優良な取り組みを続ける企業の格付け制度「DX格付(仮称)」をスタートさせて企業のDXを後押ししていく方針※6です。2020年以降もますます企業でDXが推進される一年になりそうです。

・・・・

さて、早いもので2019年のブログ投稿も今回が最後です。DXの時代ブログをお読みいただいている皆様、今年一年ありがとうございました。2020年からはより具体的なDXの進め方についての解説をスタート予定です。また来年もよろしくお願いいたします。

以上

注釈

※1: 経済産業省 攻めのIT銘柄2019 https://www.meti.go.jp/press/2019/04/20190423004/20190423004-3.pdf

   東京証券取引所(一部、二部、ジャスダック、マザーズ)上場会社約3,600社を対象に「攻めのIT経営に関するアンケート調査2019」を実施、うち、エントリーいただいた企業448社を「攻めのIT経営銘柄2019」として選定対象としている。

※2:スモール‐スタート(small start)とは、 新たな事業を立ち上げる際に、最初は機能やサービスを限定するなどして小規模に展開し、需要の増大などに応じて順次規模を拡大させていくこと。

※3:アジャイル開発は、迅速かつ適応的にソフトウェア開発を行う軽量な開発手法である。

※4:ETLとは、Extract、Transform、Loadの略で、企業内に存在する複数のシステムからデータを抽出し、抽出したデータを変換/加工した上でデータウェアハウス等へ渡す処理、およびそれを支援するソフトウェア

※5:EAI とは、Enterprise Application Integrationの略で、企業内における多種多様なコンピュータシステム群や各種ビジネスパッケージ群を有機的に連携/統合させ再構築し、より戦略的な機能や情報として提供する機能及びミドルウェア / アプリケーションパッケージや統合技術

※6: 日経xTECH記事より引用 「2025年の崖を回避せよ!経済産業省が企業の「DX格付け制度」を始める理由」 https://tech.nikkeibp.co.jp/atcl/nxt/column/18/00001/03081/?P=1


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みなさま、こんにちは。

このコラムでは、DX(デジタルトランスフォーメーション)にはじめて関わる方、これからDXに取り組まれる方を対象に、DXとは何か?また企業がDXに取り組む際のポイントについてお伝えします。

■前回までのおさらい
前回(第4回目)まで、なぜいまDXが注目されているのか?2つ挙げた理由のうち2点目「産業の創造的破壊とゲームチェンジ」を取り上げました。
 創造的破壊、ゲームチェンジが素早く頻繁に繰り返される経営環境のなかで、企業では新たなビジネスモデルの構築や、ビジネスプロセス変革、競争力の維持・向上が求められており、これらを実現する手段としてDX(デジタル革新)が注目されていることを解説しました。
今回は、企業が創造的破壊、ゲームチェンジに対応していくためにどのような取り組みを行っているのか?企業の様々な取り組みのうち「戦略・目標」、「組織・体制」に関わる取り組みについて、DX推進企業の事例を交えてお伝えします。

 
図:企業におけるDX推進

■戦略・目標  ~DXの目標を明確にする~
 「ライバル企業がAIを使ったチャット型カスタマーサービスを構築して業務効率化につなげているそうだよ、うちも出遅れないようAIを使ったサービスを考えていこう」
 「先日うちの社長が新聞を読んでいて、ある飲料会社がSNS上のビッグデータを活用したソーシャル調査をマーケティングに活用している特集記事を見つけたそうで、うちの部でもそのようなサービスを早速検討してほしいそうだ」
企業のマーケティング部門やシステム部門でよく耳にしそうな会話です。
先端技術に興味をもって成功事例に倣って自社サービスへの活用を検討する。すばらしい取り組みだと思います。しかしその一方で、上記のようなきっかけでスタートした取り組みの成功が少ないことも事実です。DBTセンター※1によると企業が取りくんでいるDXの約95%が失敗に終わっているそうです。その大きな理由の一つとして「デジタル化のためのデジタル化」があげられています。
前半で述べたようなAIをつかったサービスを考えよう、ビッグデータを使ったサービスを検討しよう、といったようにデジタル化そのものが目標となっていることが「デジタル化のためのデジタル化」です。
第2回目のコラムでも述べましたが、DXは経営者自らが先頭に立って企業全体で戦略、組織・体制、制度・プロセスの刷新から取り組む必要があります。「デジタル化のためのデジタル化」とならないようDXの背景や目標を明確にすることが重要です。
ある大手商社ではDXの取組みとして、クラウドサービス(Teams)導入による全社的な業務効率化を実現しました。この取組みにあたっては、はじめに「従業員の攻めの時間の創出」という全社的な目標を掲げ、定量的な数値目標も定めました。つまり、クラウドサービス導入による業務効率化は目標ではなく、あくまで「従業員の攻めの時間の創出」のための手段ということです。

 

■組織・体制 ~DX推進プロジェクト構築/経営層の積極的な関わり~
 社内の優秀な人間を集めてデジタル変革チームを作る、ただそれだけでDXは推進されません。DBTセンターの調査結果では、組織内で収益力をもつ事業部門がプロジェクトに入って自らDXを推進していくことが重要であると述べています。プロジェクト内に事業の視点を与え、かつ事業部門がデジタルの視点を持つきっかけとなり、何よりDXの恩恵を受ける事業部門自らが計画し推進していくことは全社的にも大きな価値があります。
かつてのシステム化投資においては、システム開発するシステム部門、システム活用する事業部門で役割が分かれていましたが、DXにおいてこのような体制で推進することはまずありません。
経済産業省では積極的なIT利活用による経営革新、生産性向上に成功した企業を選定して「攻めのIT経営銘柄2019」※2としてレポートを公開しています。このレポート内のDX推進企業※3に行ったアンケートが掲載されていますので紹介します。
『DX推進を検討する事業関係者・デジタル技術担当者が一体となった推進組織があるか?』との質問に対して「ある」と回答したDX推進企業が87%と高い数値となっています。このことからも全社的なDX推進プロジェクトを持つ必要性がわかります。 
同じくDX推進企業に行ったアンケートにおいて『DXの推進に関して経営会議で頻繁に報告・議論されるか?』との質問に対して「ある」と回答した企業が100%という回答でした。DX推進のためにはプロジェクトのみならず、経営層自らが積極的にDXに関わっていくことが必須であるといえます。

引用:攻めのIT経営銘柄2019 「攻めのIT経営アンケート調査2019」分析結果より

DX推進企業の事例をご紹介します。ある電力会社では社長をトップとした「DX戦略委員会」を立ち上げるとともに、DXの主役である各事業部門にDX推進体制を構築しました。さらに事業部門の取組みを高度にサポートするために、外部コンサルティング会社と共同でデジタル専門会社を設立して全社的なDXを強化しています。中小企業において専門会社を設立するほど大規模な取り組みは少ないですが、事業部門自ら外部ITコンサルタントをアドバイザーとして招集しDXを推進する事例も数多くあります。

■まとめ
 デジタル改革の現場に携わっていますと、全社的にDXを進めている企業は少なく、未だシステム部門任せ、外部ベンダー頼みの企業が多いのが実感としてあります。しかし創造的破壊、ゲームチェンジが繰り返される事業環境においては、経営戦略やビジョンを描きつつ、業務や組織、企業文化・風土も含めたDX推進が大変重要です。
 次回もDX推進企業の取組について、企業内の「制度・プロセス」面の対応事例をご紹介いたします。

以上

注釈
※1:「Global Center for Digital Business Transformation(DBTセンター)」
米シスコシステムズと世界トップクラスのビジネススクールであるスイスのIMDのパートナーシップにより設立されたDXの研究拠点
※2: 経済産業省 攻めのIT銘柄2019 https://www.meti.go.jp/press/2019/04/20190423004/20190423004-3.pdf
※3: 東京証券取引所(一部、二部、ジャスダック、マザーズ)上場会社約3,600社を対象うち448社を攻めのIT銘柄として選定

引用:
攻めのIT銘柄2019
https://www.meti.go.jp/press/2019/04/20190423004/20190423004-3.pdf

日経xTECH 記事
https://tech.nikkeibp.co.jp/atcl/nxt/column/18/00001/02994/?ST=health&P=2




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このコラムでは、DX(デジタルトランスフォーメーション)にはじめて関わる方、これからDXに取り組まれる方を対象に、DXとは何か?また企業がDXに取り組む際のポイントについてお伝えします。


■前回までのおさらい

前回(第3回目)まで、なぜいまDXが注目されているのか?2つ挙げた理由のうち1点目「2025年の崖」問題を取り上げました。

 今回は2点目の「産業の創造的破壊とゲームチェンジ」について解説いたします。

「2025年の崖」問題は、企業内のシステムに関わりの少ない方にとっては少しイメージするのが難しい内容だったかもしれません。今回の「産業の創造的破壊とゲームチェンジ」はニュース、新聞などでもよく取り上げられている身近なテーマでもありますので、比較的イメージしていただきやすいのではないかと思っています。

それでは早速解説していきます。


■普及が進むQRコード決済

皆さんは街中のコンビニなどのお店でQRコード決済を利用されたことはあるでしょうか?QRコード決済とは、ユーザーがスマートフォンやタブレット端末のアプリでQRコードを表示して店側に見せると、店舗がそのQRコードをバーコードリーダーで読み取ることで決済を行うサービスです。※1

QRコード決済のイメージ

現在、スマートフォンを所有するユーザーの約3割がQRコード決済を利用しているといわれています。とくに利用者数のシェア1位※2のPayPayは、テレビやネットなどの広告でもよく見かけますし、購入額の最大20%を還元するといったキャンペーンも大々的に行っていますのでご存知の方も多いでしょう。

QRコード(バーコード)決済は、2011年頃から普及が進んでいる中国と比べると、日本国内では2018年時点でも全くと言っていいほど普及が進みませんでした。ところがPayPayなど新たなサービスの登場や、政府がキャッシュレス決済を推進していることと相まって、昨年から市場規模が急速に拡大しており、QRコード決済の市場規模は2019年度には前年の約3倍となる約6000億円、4年後の2023年度には8兆円にまでに拡大すると見込まれています。※3

利用する消費者、店舗のみならず、金融決済サービスのビジネスモデルを考えるときにもはやQRコード決済の存在を無視することができなくなりました。しかし利用者数のシェア1位のPayPayは企業設立、サービス開始が2018年で、誕生からわずか1年あまりの短い期間でQRコード決済市場を大きく変えました。まさにデジタルビジネスにおける創造的破壊、ゲームチェンジが起こっている事例といえます。


■産業の創造的破壊とゲームチェンジとは?

では改めて、「創造的破壊」とはなんでしょうか?アメリカの経済学者・シュンペーターが説いた言葉で、古く保たれた秩序を壊して、新しい経済産業を創造し、さらには社会全体の生産・品質・サービスを向上させていくことです。

先の例のQRコード決済では、古くから現金での決済が圧倒的に多い日本において、キャッシュレス(QRコード決済)の登場は、決済スピードの迅速化や業務効率化につながることはもちろんのこと、決済履歴などのビッグデータ活用の領域も含めた新しい経済産業の創造につながっていくことでしょう。

そして「ゲームチェンジ」とは、従来からの見方や考え方を変換させて,人々の行動様式や社会の制度を一から変えてしまうような技術的変革や社会的変革のことです。

QRコード決済が普及していくと、人々の行動様式も変わり財布やクレジットカードさえも持ち歩かずにスマートフォンだけで生活できる時代が近づいていくことでしょう。また、その他にもゲームチェンジの事例として、Uberやairbnbに代表されるようなシェアリングエコノミー(インターネットを介して個人と個人の間で使っていないモノ・場所・技能などを貸し借りするサービス)を行う企業なども登場するようになりました。

■10年前に起きた創造的破壊

「創造的破壊」、「ゲームチェンジ」の事例についてもう1つ、少々昔の話になりますが約10年前にもかなり大規模な創造的破壊とゲームチェンジのきっかけとなる出来事が起きていました。それはスマートフォン(iPhone)の登場です。今となってはあって当たり前のスマートフォンですが、日本でiPhoneが発売された2008年当時、人々はiPhoneに対してどのような印象を持っていたでしょうか。当時のネット掲示板でのやり取りの一部をご紹介したいと思います。この内容から当時の人々がもっていた見方や考え方がわかります。

2008年発売のiPhoneのニュースリリースに対するコメント

・電話機能がついた小さいパソコンの劣化版、こんなものは確実に普及しない

・音楽聴きたいならiPod、電話・メールは携帯、WEBサイトも携帯で十分

・タッチして操作とか面倒、タッチパネルだと指が邪魔で液晶も見えない

・おサイフケータイ機能がない、ワンセグを見ることもできない端末はいらない

いかがでしょうか?私も当時は似たような印象をもっていたように思います。もちろん初期のiPhoneは今ほど機能が充実していませんし、次世代モデルになっておサイフケータイ(Suica、Apple Payなど)にも対応していますので、すべてが今の常識と異なっているとは言いきれません。しかし、スマートフォン登場から瞬く間に、上記のような人々の固定観念は覆されて、今となっては人々の生活になくてはならない社会インフラとして世界中に普及しました。そして、現在のデジタル技術を用いたビジネスモデルを考えていくうえで、スマートフォンがその中心であることは言うまでもありません。世の中にモバイルファースト※4という言葉が登場するほど、社会全体の創造的破壊、ゲームチェンジにつながる大きな出来事でした。

■まとめ

企業はこのような創造的破壊、ゲームチェンジが素早く頻繁に繰り返される市場のなかで、変化にあわせて新たなビジネスモデルの構築、ビジネスプロセスの変革、競争力の維持・向上を対応していくことが求められています。これらのデジタルビジネスを実現する取り組みとしてDX(デジタル革新)が注目されているわけです。

それでは、デジタルビジネスの創造的破壊、ゲームチェンジに対応していくために企業はどのような対応をとっているのでしょうか?

次回は引き続き「産業の創造的破壊とゲームチェンジ」のテーマについて、実際に企業内でどのような取り組みがなされているか事例を交えて解説いたします。



注釈

※1: 厳密にはQRコード(バーコード)決済のサービス形態は複数存在しますが、この記事では、皆さんが普段コンビニでよく見かけるサービス形態(コード支払い)をもとに解説しています。

※2: 2019年2月のインターネット結果より抜粋したデータです。

※3: 2018年 日本能率協会総合研究所 国内QRコード決済市場の調査結果を引用しました。

※4: WebサイトをPCよりもスマートフォンで閲覧するユーザーが増えてきた今日、スマートフォンユーザーがストレスなく閲覧、利用できるよう優先的にWebサイトの企画・設計・制作・公開を行うことです。


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