少年法61条は、少年事件について、加害少年を特定できる個人情報を報道することを禁止している。しかし、罰則規定はない。そのためか、重大事件が起きた時には、写真週刊誌などが確信犯的に少年の写真や実名を掲載することも多い。また、近年はインターネットの発達によって、報道機関ではない一般人が、加害少年の実名や写真などの個人情報をアップすることも増えている。


 7月に起きた佐世保の少年事件についても、加害少年の家庭環境に関する情報がマスメディア、インターネット上に溢れ、それらの真偽不確かな情報をもとに、事件の背景について、したり顔に論じる、弁護士を含む「少年事件の専門家」もいた。また、私の周りにも、垂れ流されている加害少年の個人情報に基づいて、この事件についてブログ、Facebook、メーリングリストで論じている人もいた。


 私は、7月末に自身のFacebook(公開範囲は友人のみ)に、報道機関でない一般人であっても、少年事件の加害者の特定に繋がりかねない情報をアップすることは控えるべきだと書いた。インターネットにアップした情報は、半永久的に残り、全世界に拡散することもあり得る。現代は誰もが報道機関になれる時代だから、一般人であっても少年法61条の趣旨を尊重すべきと考えたからだ。


 今日、加害少年の父親とされる方が自殺されたかもしれない、という報道を聞き、加害少年の家庭環境等の個人情報を垂れ流したマスメディアはもちろん、マスメディアが垂れ流した真偽が不確かな情報をもとに、加害者の成育歴、家庭環境について、したり顔で論じていた弁護士を含む「少年事件の専門家」に対して、「あなたの行動が加害者の父親を死に追いつめた可能性があるんですよ。」と指摘し、強く反省を求めたい。今後、あらゆる少年事件について、すべての国民が少年法61条の趣旨を尊重し、静かな環境で加害少年が少年審判、刑事裁判、矯正教育を受け、更生のために努力できる環境が整えられることを望みます。


 今後、あらゆる少年事件について、すべての国民が少年法61条の趣旨を尊重し、静かな環境で加害少年が少年審判、刑事裁判、矯正教育を受け、更生のために努力できる環境が整えられることを望みます。