「婚外子」とは「非嫡出子」とも言われ、婚姻関係にない両親から生まれた子のことである。表現として適切ではないが、昔々「妾の子」と呼ばれていた子は、この婚外子にあたる。
明治時代に作られた民法では、婚外子の相続分は婚姻関係にある両親から産まれた子の半分と定められ(民法900条4号ただし書)、現在まで改正されていない。家制度の秩序維持が重んじられた戦前ならともかく、個人の尊厳が重視されるようになった現行憲法のもとでは、子に責任のない出生による差別ではないか、という議論が常になされてきた。
平成7年の最高裁大法廷では、15人の裁判官が、10対5に分かれ、婚外子相続分規定は合憲と判断された。ところが今回は、14対0という全員一致で違憲と判断された。また、少なくとも平成13年7月(この遺産分割事件が平成13年7月に死亡した被相続人の事件であった。)には違憲であった、と判断した上で、平成13年7月から違憲な法律の前提で行われてきた遺産分割の結果には影響を及ぼさない(つまり、今回の違憲決定を理由とするちゃぶ台返しは認めない)、と判断されたことも重要だ。
実際に法律がすぐに改正されるかどうかは、改正に反対する国会議員も多くいることから微妙であるが、少なくとも、これから亡くなった方の遺産分割だけでなく、平成13年7月以降に亡くなり、まだ遺産分割がされていないケースについても、婚外子を平等に扱うことになると思う。
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