先月に起きた亀岡の自動車事故の事件で、18歳の少年の捜査が終わり、検察官から家庭裁判所に事件が送致されたが、検察官が非行事実の罪名として危険運転致死傷罪を適用せず、自動車運転過失致死傷罪が適用されたことが議論となっている。まず、危険運転過失致死傷罪(刑法208条の2)の条文を見てみよう。
①アルコール又は薬物の影響により正常な運転が困難な状態で自動車を走行させ、よって、人を負傷させた者は十五年以下の懲役に処し、人を死亡させた者は一年以上の有期懲役に処する。その進行を制御することが困難な高速度で、又はその進行を制御する技能を有しないで自動車を走行させ、よって人を死傷させた者も、同様とする。
②人又は車の通行を妨害する目的で、走行中の自動車の直前に進入し、その他通行中の人又は車に著しく接近し、かつ、重大な交通の危険を生じさせる速度で自動車を運転し、よって人を死傷させた者も、前項と同様とする。赤色信号又はこれに相当する信号を殊更に無視し、かつ、重大な交通の危険を生じさせる速度で自動車を運転し、よって人を死傷させた者も、同様とする。
この条文から見ると危険運転致死傷罪が適用されるためには、以下のいずれかの要件に加害者が該当する必要がある。
①正常な運転が困難な酩酊状態。
②正常な運転が困難な薬物中毒。
③進行を制御することが困難な高速度運転。
④進行を制御する技能が無い状態。
⑤通行妨害目的かつ危険な速度で、割り込み運転、煽り運転。
⑥赤信号無視かつ危険な速度での運転。
留意しなければならないのは、①~⑥は故意犯であること、つまり加害者自身が①~⑥の状態にあたることをわかっている必要がある(「故意」の内容についても難しい議論があるが割愛する。)ということだ。
長くなるので5日間に分けて書きます。