『コロと彼岸花』
帰り道に稲穂の様な毛色の
子犬に出逢った
彼岸花が満開の咲く
農家の小屋の近くで見つけた
『どうしよう』
『飼いたいな』
子犬を抱いて考えた
友達の家に行った
『俺んち無理!』の一言だった
でも食パンをくれた
僕はパンを1度、口に含んで
子犬に食べさせた
『コロ!コロ美味いか?』
もう、僕は名前を
勝手に決めていた
日が落ちてきた 
『自分んちも絶対に無理だよ』『コロごめんな』
出逢った場所にコロをおいた
思いきり走って家に帰った
次の日学校帰りに
一目散に
コロに会いに行った
真っ赤な彼岸花だけしか
僕を迎えてくれなかった
今でも彼岸花を見ると
コロを思い出す
もう50年以上も前の事なのに
彼岸花は縁起の良い花
だってコロと出逢えたから
  真喜志 小2年生の思い出