高齢になると


次第に体力が落ちていき


以前は普通にできていた事が

出来なくなってしまいます。


重いものを持ったり

運んだり、上げたり


立ったり、座ったり


階段を登ったり

数百メートル歩いたり



家事をしたり

お風呂に入ったりと


特に1人暮らしの

高齢者にとっては


悩ましい限りです。



母は睡眠障害で

鬱病もあったので


いつも、早く死にたい

口走っていました。



こうした中でも

母には楽しみがありました。

(まだ元気な頃の話です)


80歳過ぎても

美容院に行く事でした。


白髪染めとカットを

するだけですが


行きつけの美容院に行くと


明るい声に迎えられ


綺麗にセットしてもらうと


無表情な顔が

パッと明るくなり


晴れ晴れとした顔に

なりました。


連れて行った私まで

嬉しくなりました。


いくつになっても

自身が綺麗になるのは

嬉しいものなのですね。



今は一日中

眠っているし


白髪頭になり


たまに施設で

カットしてもらう

だけになりました。





また、母は

いつも病院の帰りに


行きつけの和食のお店で


寿司天ぷら御膳を食べるのが

楽しみの一つでした。


握り寿司5貫に

豆腐のお味噌汁


茶碗蒸しにお漬物


揚げたてのエビに

ナスやかぼちゃの天ぷらを


いつも美味しそうに

食べていました。


また近所にある

セブンイレブンの


しっとりたまご蒸しパンが

大好きでした。



母にとって

食べることは


楽しみや生きがいのように

思えました。



施設に入ってからも


たまご蒸しパンや

カステラ、ドーナツ

プリンを欲しがりました。


オヤツを食べる事で


その瞬間は

笑顔になったそうです。



今は食事を摂る事も

難しくなり


介護食ゼリーで

命を繋いでいます。





懐かしい思い出が

ふと蘇りました。


母は今、何を

思っているのでしょうね。