先日、ニュースなどで、久しぶりに話題になった麻酔用薬ですね

写真の商品は、直接関係ありません、同一成分ということで、ネット上に散乱している写真より拝借いたしました

この薬は、マイケルジャクソンの不眠症治療に用いることで、死因の一因となったということで有名になりました

そこから久しく一般に名が目に触れることがなかったのですが、今回は医療の傲慢さのために、小さな命が犠牲になったことで、また世に名が広まることとなりました

術前麻酔として導入薬としてはコントロールしやすく、抜けやすいので一般的に使いやすい、安全な薬と認知されています
そのため、集中治療を必要とする体力の比較的ある成人には、鎮静薬としても使われておりました

ラベルからもわかりますが、劇薬ですので、麻酔医の経験と、判断とで、適切なコントロールを要する薬であることは明らかですが、安全神話的な印象もあり、時に、若干無理な使用に応用されることもあるようです

数時間で抜ける傾向もあり、代謝の良い体質を確認されると、小児でも術前麻酔に限らず、集中治療時の鎮静薬としても使われた事実があるようでした

その密室の事実のような治療履歴が、小さな命の犠牲により明らかになりました

東京女子医大にて、首から頬にかけての良性腫瘍の摘出という死とは無縁の術式で、麻酔医の漫然とした対応と、甘さにより犠牲者が出てしまいました

小さな命の犠牲となられた方のご冥福と、ご家族の御不幸を慎んでお悔やみ申し上げます

この薬は、小児の使用は、術前麻酔しか適用はありません
鎮静薬としては小児、妊婦は不可となっております
呼吸中枢を抑制する可能性があり、結果心停止に至ります

それは添付文書には明確に表記されており、医療に従事する者は、経験として可能と思われても、まずは遵守を前提とするものです

それでも、必要とする場合は、本人及び家族の同意が必要なのは言うまでもありません

今回はそれがなく、命を軽んじる事後説明がなされました

麻酔使用を、交通法規を比喩的に説明したこと
自分に責任はなく、任せっきりなので知らないという責任放棄
禁忌と原則禁忌は別物で、他でも使われてるから大丈夫だったということ
医療過誤は明らかなのに、自然死扱いにしたこと
異常死のための警察への通告を期限時間内に行わなかったこと

今知るかぎりでも、これだけの医療過誤としてくくられてもいい内容があります

医療とは何なのでしょう?

自分が医療従事者として、添付文書という情報は、まず守る内容であります

そこに回復を願う患者とご家族がいるということは、漫然とした医療ではいけないのです

確かに大病院は縦割り診療となるので、責任転嫁する傾向は致し方ないこともあります
横の連携するには膨大な治療を同時進行しているため把握が難しいためです
データ管理と、地域医療連携により負担を減らすことが、今回の医療過誤を避ける一助にはなります

ですが、医療の模範的存在の基幹医療機関には、命を軽んじる医療だけはして欲しくはないです
最後の砦として、すがってくる患者とご家族が、そこにはいるのですから…