ヒミズ/よろしく未来 | この街に正義の花束を/非リア的映画感想ブログ

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映画の感想ブログです。もしくは雑記。
タマフルリスナーなので観る映画はやや片寄り気味かもしれません。
まだまだ映画ファンを自称できる程ではないので的外れな事を書いたりすると思いますが、ご容赦ください。
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※ネタバレします。

『ヒミズ』

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ストーリー
ごく普通に生きることを願っていた祐一と、愛する人と守り守られ生きていくことを夢見る景子。ともに15歳の2人の日常が、ある事件をきっかけに絶望と狂気に満ちたものへと変わっていく様子を描く。

キャスト・スタッフ
キャスト:染谷将太、二階堂ふみ、渡辺哲、吹越満、神楽坂恵、光石研、渡辺真起子、黒沢あすか、でんでん、村上淳、窪塚洋介、吉高由里子、西島隆弘、鈴木杏

監督:園子温
製作:依田巽
エグゼクティブプロデューサー:小竹里美
プロデューサー:梅川治男、山崎雅史
原作:古谷実
脚本:園子温
撮影:谷川創平
美術:松塚隆史
照明:金子康博
録音:深田晃
編集:伊藤潤一
音楽:原田智英
音響効果:齋藤昌利
アクション監督:坂口拓

(映画.comより引用させていただきました。)


今回は感想すらまともに書ける気がしないです。
なので凄く断片的な、纏まりのない文になると思います。
後いつもと比べてテンション低いです。「絶賛」のテンションでもなく、「怒」のテンションでもない。しんみりいきます。

まず 原作漫画の事は全く知りませんでした。存在すら。
古谷実先生の作品は 「稲中」は全巻持ってます。「僕といっしょ」は以前友達の家で全巻読みました。それだけです。
今回の「ヒミズ」に関しては、原作を読んでから映画を観に行こうかとも思ったのですが、やっぱり一回目は知らない状態で観よう ということで 予告編以外の情報をなるべく入れずに観に行きました。

良かったですよ。はい。
でもここ最近の園監督作品(冷たい熱帯魚とか)が好きで 「アノ感じ」に期待して行った人は、もしかしたらちょっと肩透かしを食らったように感じるかもしれないですね。
僕は めちゃめちゃ怖かったんですけど 。


やっぱりオープニングで戦慄しましたね。東日本大震災後の被災地の映像って、「もうやめて!!」と言いたくなるほど、テレビで何度も流されてきましたけど、 改めて「劇映画という娯楽映像作品」の中で現実にこの日本にある悲惨な光景を見せつけられる。…結構応えましたね。

今回の「震災後の日本」を舞台にした映画オリジナルの設定が、大分物議を醸したようですが
僕は「良かった」と思ってます。園監督の映画は海外でもファンが多いし、映画賞取りまくって知名度もあるし。それだけに 「今の日本」をより多くの人に知ってもらえる。勿論日本全国があんな感じではないけど。
9.11以降のアメリカを描いた映画とかも結構あるじゃないですか。その度に「爪痕」を意識させられる。(個人的に一番辛かったのは「ハートロッカー」だったり。)
「爪痕」という部分では、ヒミズで描かれるそれは 本当に恐ろしかった。それを世界の園子温が 真剣に向き合って撮った。そこに意味があると思ってます。

キャストに関して。
主役の2人は本当に素晴らしかったです。
「爆発」という言葉がしっくり来る感じというか。掛け合いの中でお互いを引き出し、ぶつかり合って、 爆発する。

「芝居を観る楽しさ」を思い出させてくれるような そんな2人でした。最高。
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あと渡辺哲さん。良かったですねぇ~いいですねェ~。
「冷たい熱帯魚」観た後だから、「どっかで豹変するんじゃ…。」とヒヤヒヤしながら見てましたけど、最後まであの感じでしたね。安心しました。
ほとんど声を荒げる事のないキャラクターなんだけど、劇中で二回ほど声を荒げる所がありましたけど、あの辺り最高でしたね。「本性現して口調が変わる」みたいなことではなく、「住田のためにキレている」感じ。
でんでんさん演じる金子に対して「黙って受け取れって言ってんだよ!!」に痺れました。
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逆にでんでんさんは最初っから危ない人だったので、スッキリとした気分で見れました。
車に乗る乗らないのくだり、良かったですね。


吹越満さんも 「どっかで鉛筆持ち出すんじゃ…」と不安になってましたが おどおどしたままのキャラクターでしたね。凄くいい人そうでした。
あの「女々しい走り方」とか最高でしたね。

そして神楽坂恵さん。ほとんどセリフが無いのにあの存在感。ほんとすごいですね。
今回も「こぼれそう」でしたね。ドキドキしました。

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あと窪塚さんも良かった。
あのいかがわしさ。堪らないですね。
「脱・原・発!」

その他キャストの皆さん 素晴らしかったです。


お話的には恋愛映画になっていくのかなーと最初は思ってたんですけど(茶沢さんのヤンデレ臭が凄まじかったから)
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実際は青春映画なんですね。心の拠り所とか、自分を待ってくれる人と出会った。
あの2人に希望を持たせて終わったという所が原作とも違うらしいし。そこが青春映画たり得る部分なのかなと思います。ちゃんと前に進んだから。

「住田頑張れ!!」は凄く良かったですね。
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完全に「頑張れ日本!!」なんですよね。
こういう所があるから『今やるべき映画』という感じがするんですよね。

目を逸らしたくなるほどに暗い話が続く映画ですけど、ちゃんと10年後、20年後にも残るべき作品だと思いますよ。

だんだん何が言いたいのか分かんなくなってきたので、ここらで締めようかと思います。
『頑張れ住田!!頑張れ日本!!!』