こんな物を渡されても困ってしまう。

弁護士はスーパーヒーローではないし、会ったばかりの綺麗だけが取り柄のような男を信じるのは危険すぎる。いや、マシで綺麗な男だった。揺らぐほどにね。助けたい人がいると懇願されて引き受けたが、俺もそんなに暇じゃない。それにこの情報が偽物たったら?俺の未来も消えてしまう。そう、今は俺はリスクを負う必要はない。まったくね。勝負に出る必要も。

USBが入ったレターパックを机の引き出しに入れて鍵をかける。出番はないかもしれないが、扱いは慎重にすべきだろう。きっと俺だけを頼ってるわけじゃないだろう、他で問題提起すればいい。俺はここまでだ。


いつまで経っても世間が騒ぎ出さないのが不思議だった。あの証拠を出せば社会的問題へと発展するはず、こんなに静かなのはおかしい。自ら動くことはしたくなかったが、もはや待っている時間もない。危険を承知でパソコンの画面を開く。ネット週刊誌にアクセスするのは簡単だ。記事を差し替えるのもね。ただ、これすれば足がつく、だからあえて侵さない領域。でも今回だけは、ここに入るしかなさそうだ。


ネットカフェから記事を打ち込む。

【警察内部に蔓延る不正の闇】

今回はまだ核心には触れないでおこう、様子を窺うために小さな不正だけを載せておく。それでどんな動きになるかを見極め、それから勝負にるのが大事だ。


記事はあっという間に広がった。

慌てたのは警察だけではない、ネット記事を書いている出版社も右往左往している様子が見て取れた。でもね、こんな小さな問題で騒いでいる場合じゃないよ?チャンスは逃さない。世間が警察組織に目を向けた時、真実を曝け出す。タイミングを見計らってね。出来ればユノと俺自身の安全の為に、あの弁護士に任せたかった。やってくれる男だと思ったけど、やはり慎重にならざるおえなかったのかもしれない。こんな危険に手を出す人間は愚かだとも言える、俺達みたいにね。賢く生きる事は悪いことじゃない、不器用なのは俺たちだけでいい。


【ジェジュン、やるのか?】

短いメッセージは使い捨ての携帯から。そして受ける俺の携帯もまた同じ。

【うん、今だと思う】

【解った】


ユノが何をしようとしているのか想像はついた。

警察が犯人探しを始めたら、自分が名乗り出るつもりだろう。俺が見つからないように。でもね、自分だけが生き延びる必要なんてある?ユノと共に運命を受け入れるよ。俺達は、二人でひとつでしょう?


膨大な資料の中で、決定的なものを選んだ。

市民たちの小さな希望を踏みにじった、警察幹部の悪意を今ここに暴き出そう。苦しんで、人生を捨てるしかなかった人々の犠牲を私腹にした悪の巣窟を叩き潰す為に。


大きな問題になって社会を立ち上がらせる。市民たちは決して許さないという姿勢で抗議活動が活発化した。警察は大混乱で国さえも揺るがす大騒動になっていった。後は市民に任せればいい、警察が本当に心から反省し罰を受けるなら、もう俺達は手を引いてもいいよね?


けど、警察は立ち上がった。こんな許されざるフェイクニュースは根絶すると。矛先を変えて市民の感情を別に向けさせる作戦らしい。何が本当で嘘か分からない今の混沌とした状況を逆手に取る戦略は、力で押し込む最高の選択かもしれない。

市民の疑心暗鬼はフェイクニュースを流した者へと変わっていく。それが事実だとしても、力は白を黒に替えるだろう。


ユノが逮捕された。当初から目をつけられていたユノが犯人であると、警察は決めつけていた。まだ本当の核心は俺の手にあるのに。でも公表するつもりはなかった、これを条件にユノを自由の身にする。警察と掛け合うために残しておいた。こうなることは想定内。結局俺達は力に負ける。初めから勝てる相手ではなかった。仕方ないよね・・。


例の弁護士からの連絡は突然だった。

【会って話をしましょう】


天使か悪魔か今はまだ分からない。

彼の言葉が、きっと教えてくるだろう。

敵か味方か・・それともどちらでもないのかを。




おはようございます✨

この物語はフィクションです。警察は常に正義の為に仕事をしています。市民の期待を裏切るような事はありません!


不安になってきましたので、明確にお伝えしておきます(^o^;

へっぽこサスペンスはフィクションです!


あ〜ジェジュンに会いたい(ToT)

チェキ会?仕事ですよ、おっ?


今日も元気に、いってらっしゃい(=^・^=)*⁠/⁠*☆✨♥