[ユノ〜あじちゃい!]


朝一番に、ジェジュンが色づき始めた紫陽花を持って来てくれた。

[おはようジェジュン、庭の紫陽花が咲き始めたんだね。ありがとう]

[庭のあじちゃい、さちはじたの。ユノにあげる!]

小さな手に握られた紫陽花は、きっとお母さんが僕に持っていってあげなさいって言ったんだと思う。切り口に、ちゃんと紙が巻いてある。

[あらジェジュンちゃん、おはよう。紫陽花咲いたのね。綺麗ね〜ありがとう、早速花瓶に入れるわね]

僕から花を受け取ると、お母さん花瓶に入れるためにキッチンに向かう。


[どこ、おく?]

バンザイをしているクマのティシャツを着たジェジュンが、心配そうに聞く。

[多分、玄関に置くと思うよ。お母さんが今、花瓶に入れて持ってくる] 

[かび入れる?]

[おいで、お母さんが飾るまで遊んでよう]

[うん!あそんでよ]


ゲームをするにはまだ早いから、僕はジェジュンとしりとりをする。

[あじさい]

僕から始めると、バンザイくまと一緒にジェジュンが考える。すかさずヒントをあげる僕。

[ジェジュンが今座っているのは何?]

ん?という顔をしてから笑顔になる。

[いちゅ!]

[すいか]

ん〜とまた考え込むジェジュン、ひとつひとつが難問らしい。

[赤ちゃんをお腹の袋に入れている動物?]

前に動物図鑑で教えてあげた。

[かんがる!]

得意そうに答えるジェジュンに、僕も笑顔になる。

しりとりゲームは時間がかかる。でもジェジュンの考え込む真面目な顔が可愛くて、つい微笑んでしまう。小さなジェジュンの考える姿はどう見ても可愛すぎる。頭の中をどんな言葉が回っているんだろう?

[ちりとり、大変ね〜]

時々お母さんのモノマネが出る。何かあった時、よくお母さんたちが言っている。【まあ、それは大変ね〜】って。ジェジュンは観察力があるらしい。

[確かに難しいかもね、お絵かきの方がいい?}

僕の家には、ジェジュン専用のお絵かきセットが置いてある。いつ遊びに来てもいいようにって、お母さんが用意してくれた。ジェジュンちゃんって名前が書いてある、うさぎの絵の箱に入っている。

[うん!おえかきちゅる]


たくさんの色を使った花の絵は、きっと紫陽花だね。庭にたくさん咲いているのが嬉しいのかな。

[キレイだね、紫陽花?]

[あじちゃい]

花の隣に立っている恐竜みたいな人影は、もしかして僕かな?

[ユノいる!]

やっぱり・・タイトルをつけるなら【紫陽花と僕】ってとこかも。

[上手に描けたね。紫陽花の色がとてもキレイだ。それに僕もカッコいい]

[ユノ、かこいい?]

[うん、でもジェジュンがいないと淋しいかも]

[ジュ、かく!]

僕の隣に描き加えられたジェジュンは、紫陽花より小さくなってしまう。ますます僕が恐竜みたいに見える。

[ジュ、かいた]

[うん、僕とジェジュンと紫陽花だね。みんな楽しそうだ]

[たのちね]

にこにこのジェジュンを抱きしめたいなって考えていると、お母さんの声がした。

[紫陽花、飾ったわよ〜すごく素敵]


僕とジェジュンも玄関に行ってみる。

誇らしげにピンと咲いた紫陽花は、ガラスの花瓶の中に入っていた。何もなかった靴入れの上が華やかになったみたい。

[キレイだね]

僕が言うと、ジェジュンも頷く。

[ちれいね〜}


僕を見上げるジェジュンが可愛くて、やっぱり抱きしめてしまう。


ぷくぷくの頬の心地良さを感じながら、僕は色鮮やかな紫陽花を見ていた✨





おはようございます✨

そろそろ梅雨に突入ですね(ToT)

ジメジメは嫌ですが、この暑さにも負けます(・・;)


身体に気をつけて、今日も元気に、いってらっしゃい(=^・^=)*⁠/⁠*☆✨♥