[いや〜最高!ひゅ〜っ!めっちゃカッコいい!!]


昔の画像を観ながら盛り上がるユノ、確かにその言葉に嘘はない。俺達は最高にイケてたと思う。特にユノの男くさい感じが超カッコ良かった。

[ジェジュンの筋肉、すごくない?]

[本気で鍛えていたからね。あの頃は、すぐに服が着れなくなった]

[腕とかムキムキじゃん]

[イメージに合わせて頑張ったじゃん?みんな筋肉すごいよね]

[そうそう、ミロは最高値だったな]

[ミロコンは俺が観てもカッコいい、演出も良かった]

[確かに]


あのまま行ったら、俺達は世界を見ることが出来ただろうか?ふと、そんな事を思う時もある。アジアだけでなくアメリカに進出したら、どうだっただろう?人生最大の後悔は口にしたくない。俺達は、いつだって本気で生きてきた。伝説になった時間は間違いなく残っている。決して消えない事実として、ここにあるから。


[でもさ、俺は今のジェジュンもすごくいいと思っている]

[年を取ったけどね]

[あの頃の奔放さも捨てがたいけど、今は傍にいると落ち着く。不安になる事もなく、ただ寄り添っていられる安心感がある]

[それって、つまんなくない?]

[いや、あの頃はさ、ワガママで気まぐれで、機嫌を損ねたら大騒ぎになる爆弾みたいなリスクがあったけど]

[どんなだよ]

[それはそれで楽しかったしゾクゾクした。気位の高いお姫様が、たまに甘える瞬間に萌える俺がいた。しかも超絶可愛かったしな、ディズニープリンセスなんて目じゃないぐらいに、めっちゃ可愛かった]

[今も可愛いでしょ]

[今は聖母みたいな優しい美しさがある。トゲがあるって言うか、あの頃みたいにケガをしそうなピリピリ感がなくなった]

[あ〜確かに、苦労したしね。大概のことは笑える気がする。でも、ユノもだよね。あの時みたいなギラギラがなくなって、穏やかな大人になった]

[ギラギラしてたか?俺]

[うん、歩く発情期みたいな感じだった]

[おいっ!]

[隙あらば襲ってやる!って目をしてたしね]

[あ〜解る!]

[解るんかいっ]

[ははっ]


時間は不思議だと思う、

たくさんの経験が俺達を荒波に飛び込ませ、そして押し戻した。息もできない波の中で俺達は生きる術を学んできたし、見えなかったものを見てきた。見たくはなかった現実が、俺達を確実に大人にしてくれた。成功だけを手にしていては得られなかった事を手に出来のは、それはそれで必要な経験だったのだと思う、今となればね。


[結局、俺達は一緒にいるね]

昼下がりの午後、こんな風に時を過ごせるなんて、あの頃は想像してもいなかった。ユノのお気に入りの紅茶はイギリス製の本格的な味、欠かさないように気をつけている。スコーンもたまには焼いてみるけど、今日は少し前に買っておいたクッキーを皿に乗せてある。ユノも間食はあまりしなくなった。午後のティータイムだけは、少しもだけ口にする。

部屋いっぱいに広がる紅茶の香りと柔らかな日差しに包まれて、ユノが満足そうに頷く。 

[俺は知っていたよ、こうなるのが当然だと]

本当かな?それにはいささか疑問がある、きっと諦めた時間はあったはず。二度と会えないかもって。

[ふ〜ん]

ユノの隣に座って頭をその肩に頭を乗せると、当たり前のように自分の頭をこつんとする。こんな時間は今でも信じられない。きっとあのままだったら、俺達は今でも走り回っていたと思う。心で考える余裕もなくて、ただ流されながら必死で自分を保とうとしながら。

[これで良かったのかも]

無意識に呟く言葉に、ユノがうんと頷く、

[俺達はきっと、どんな状況にあっても最後にはここにいたと思う]

ひとつひとつの言葉に込める想いは、嘘のない真実。ここに来て思う、ここに導かれることだけは、決して揺るがない事実だと。

[ユノ]

[ん?]

[今、幸せ?]

俺の肩に手を回してから答える。

[これ以上の幸せを感じたことはない]

歳を重ねて、良い台詞も覚えたようだ。

[俺も]


ユノの肩に頭を乗せたまま目を閉じる。

紅茶の香りと安心感のある心地よいユノの温もりを感じながら、幸せの意味を思う。

難しい本を開きながら黙々と読み続けるユノの隣で、無垢な心まで預けて眠る俺。昼寝なんてしないはずなのに、こんなに気持ちのいい午後はそれもいい気がする。


時計の針の音さえ聞こえない。


ユノと俺だけが存在するような時間の中で、確実な今を感じていた・・✨ 

 



おはようございます✨

今日も元気に、いってらっしゃい(=^・^=)*⁠/⁠*☆✨♥