世の中を変えたいと思った。

弱い人が苦しみ、小賢しい人間だけが何かを得る社会に正義はあるのかと。表向き動くのは賢い方法ではない。せっかく与えられた才能を活かして、何か出来ないか?辿り着けないルートからハッキングするのは簡単だし、逆に悪徳業者は甘さがある。取ることだけに集中している為か、失うリスクを考えていない。俺の仕事は一つだけ、顧客情報をすべて抹消し、不当に得た利益はなかった事にする。全てを白い状態に戻すだけ。俺が利を得る事もないし、消すだけが任務だと心得ている。それが、たどり着けない理由でもある。自分が何かを欲すれば、必ず証拠を残してしまう。弱さはそこから来ると知っているから。


ユノの言葉に感情を思い出す。

そう考えれば不思議と最近は笑っている。ユノと出会う前は、ばあちゃんに楽しいことはないのかいっ!て呆れられていたけど、自分でも驚くほど顔が緩んでいる。なぜユノは、俺の心を温かくしてくれるんだろう?友達がいないせいか、男同士の友情ってやつに飢えていたのかもしれない。そうも思うけど、それとも少し違う気がする。

ユノに言われた【好き】の意味を考える。軽いのか重いのか、それとも儀礼的な言葉なのか。


[俺もユノが好きだよ]


当然の回答だと思う。だって、こんなに俺を笑顔にさせる人は他にはいない。別の自分になったように素直に心を見せられるのはユノだけだから。

[本当に!?]

望んでいた答えと違うのか不安になるほど、ユノが驚いた顔をする。

[うん、俺もユノが好きだ]

目が点って感じがマンガみたいで、俺はまた笑ってしまう。

[ダメ元で言ってみたのに、夢みたいだ・・本当に?俺でいいの?]

正直、好きのレベルが自分でも測りかねてはいるけど、それでもユノと一緒にいたいと思う。

[ユノは?俺でいいの?]

[もちろんだ!ジェジュンしかいない!]


突然抱きしめられて困惑する俺。けどユノの胸は、小さな頃に抱きしめてくれた父さんのような安心感がある。背中に手を回してみると、やっぱりその逞しさが心地良い。


[一緒に歩いていこう、どこまでも]

ユノが永遠にそう思うかは分からない、それでも信じてみるのも悪くない。

[うん]


俺は忘れていた。

自分が犯罪者であることを。例え悪いやつらを消し去るヒーローでも、ハッキングは犯罪だ。

いつかユノに知られる日が来るだろう。その時、俺達はどうなるんだろう? 


ううん、今は考えなくていい。

この束の間の幸せを身体いっぱい受け止めよう。

いつか壊れる夢だと知っていても・・。





おはようございます✨

今日も元気ですか?

最近思うのですが、環境は自然に変わっていくので、ストレスが緩和される状況になる時があります。今まで悶々としていた事が消えていく瞬間?それって確実にあって、本当に不思議です。

なので、今が大変でも頑張れば好転する気がします✨みんな、負けないで!\(^o^)/


今日も元気に、いってらっしゃい(=^・^=)*⁠⁠/⁠*☆✨♥