長い連休は嬉しい反面、どこか憂鬱になる。
社会から置いてきぼりにされる感覚が否めない。そう、ゴールデンウィークはみんな浮かれて出掛ける時間。なのに俺には予定がない、悲しいほどにまったく。
とりあえず寝坊して、ゆっくりと朝食を作って食べると優雅な気分にはなるけど、その先の予定がないと考えると小さなため息が溢れる。初めは色々考えた、読めなかった本を読もうとか、久々に映画に行こうとかね、色々。でも映画館は混んでいるだろし、本を読むのもノリが必要だ。今日は読もうって雰囲気があってほしい。今のところないんだよね、それが。
【ハワイ?】
【ううん、物価を考えて韓国にした】
【私は彼氏と沖縄】
オフィスで飛び交う連休話にウンザリしつつ、どこか羨ましかった。
食事を終えてドサッとソファーに座ってみる。俺みたいな人が他にもいるかな?この長い休日に予定がない人・・いや、いないだろう。何かしらあるよな。なぜ、俺にはないんだろう?
・・・実は嫌と言うほど知っている。俺はあえて入れなかった。誘われた旅行も田舎に帰るのも、すべて諦めてここにいる。答えはひとつ。そう、ユノからの連絡を待っているから。来る確約は何もない、来て欲しいという願望だけだ。俺からは言いたくない、だってウザいやつだと思われたくない。できればクールに、誘われたら仕方ないから一緒に行ってあげる風でいたい。なのに・・今のところ連絡はない。携帯もピクリとも動かない。
[マジかよ]
淋しい長い連休の予感に、またため息をついて本を開く。買ったままの何冊かの本のうち、夢中になれそうなものを選ぶけど集中出来そうもない。
チラチラと携帯を眺めながら、またため息。
ゴールデンウィークが嫌いになりそうだ、こんな長い休日はいらない。本当に・・。
カチャリというドアの鍵が開く音で目を覚ました。いつの間にか昼寝をしていたらしい。開いた本はソファーの下に落ちている。宅急便かな?目を擦りながらドアに向かうと、それは突然開いた。
[ジェジュン]
大きな荷物を抱えた満面の笑みの男・・ユノ?俺はまだ夢を見ているのか?
[昨日は遅くまで残業でさ、連休前に終わらせなきゃいけなくて地獄の日々を過ごしてたよ。連絡する暇もなくて、とりあえず来ちゃった]
へへっと、照れくさそうに笑う。
まだ夢の中なのかと疑いながら、目の前の人を確認する。
[ユノ?]
困ったなって言うように苦笑いをして、大きな荷物を下ろすと手を広げる。そして、俺の答えを待たずに抱きしめる。
[連絡しなかったから怒ってるんだろう?ごめん・・もちろん忘れてなんかいなかったさ、ただ連休だけは確保したくて本気で仕事をした。朝から夜遅くまでずっとね。気づいたら眠っていて、そしてまた朝から仕事で・・でも、ジェジュンなら待っていてくれると信じてた]
[俺が旅行に行くとか思わなかった?]
ユノの腕に包まれながら聞くと、クスッと笑う。
[全然・・待っていてくれると思っていたよ]
ユノの背中に手を回すと、今までの不安が飛んでいく。
[ジェジュンとずっといる為に、とりあえず色々突っ込んできた]
大きな荷物を広げるのが怖い気もする。連休はじめの大仕事になりそうだ。
[うん、ずっと一緒にいよう]
[何をするでもなく傍にいる、それが最上級の贅沢だ]
[確かに]
嫌いになりかけたゴールデンウィークが好きになる。まだ始まったばかりの連休は、ユノとの時間で満たされる予感。小さな思い出を積み重ねていくように、俺達の時間が刻まれていく。
不意打ちで抱きしめられる幸福感を、この休み中何度経験できるかな?
みんなも楽しい時間が過ごせますように。
素敵な休日を・・✨
おはようございます✨
連休、楽しんでくださいね!
私は頑張って仕事します(^o^;)
今日も元気に、いってらっしゃい(=^・^=)*/*☆✨♥