ハードルが高いんだよ、マシで。

憧れの芸能界に関わりたくて、事務所を受けた。いや、練習生とかじゃなくてスタッフとしてね。もちろん狙いは推しのマネジャー、願わくばそこから恋愛に発展するとか・・あっは♥

最難関の試験を突破して入ったのは業界でもなかなかの事務所、最近ではナンバーワンではなくなったものの、まだまだ勢いはある。新人のガールズグループも可愛い子が多いし大満足。それにしても、よく俺が入れたな・・人生の大奇跡だ。


初めのうちは、見習いとして色々な仕事をさせられた。受付や衣装の調達、ケータリングの手配とか色々ね。でも、ここでも奇跡が起こる。最近の人不足で、急遽マネージャーに大抜擢された。しかも超カリスマのユノユノのね。マジでぶっ飛んだ。新人の俺がユノユノのマネージャーだよ?ヤバくない?

でも、世間の噂では正義感の強い真面目な人で誰にでも優しいらしい。それなら出来るかな?せっかくのチャンスだしね、やらない手はない!でしょ?


[失礼します!]

楽屋をノックすると、返事がない。間違えた?俺、やっちまったのか?いや、テレビ局は何度も確かめた、楽屋のドアにもユノユノと書いてある。入り時間が変更になったのか?前のマネージャーが突然辞めて、すぐに行けと言われたけどスケジュールを確認する余裕もなかった。ヤバいな・・楽屋前で真っ青になる、新人の俺はテレビ局に知り合いもいない。誰に聞けばいい!?


[何をしている]

冷たい声が聞こえて顔を上げると・・ドアが開いていて、そこにはあのユノユノが!

[あ、あの、俺、いや僕は今日からユノユノさんの・・]

[入れ、廊下で騒いでいると迷惑だ]

[は・はいっ!失礼します!!] 


楽屋に入ると、超不機嫌そうな顔のユノユノが俺を睨んでいた。

[軍隊か?]

[はい?]

[返事に力を入れるな、鬱陶しい]

キョトン・・誰にも優しく正義感溢れるいい人のはず、聞き間違いか?

[マジでお前なの?今度のマネージャー]

優しくない!絶対に!!

[はい、事務所から言われてまいりました!]

[チッ!]

え?空耳かな?舌打ちしたよね?

[前のマネージャーも使えなかったけど、お前はどうなの?]

ヤバっ!ユノユノって、こんな人だったの?

[精一杯やらさせていただきます!]

[名前は?]

[ジェ・ジェジュンです!] 

ガタッ!名前を言った途端、立ち上がるユノユノに後ずさりする俺。


[なあ、俺の為なら何でもしてくれる?] 

壁際に追いやられて逃げ場を失う俺は、頷くしかない。

[も・もちろんです]

[ジェジュン?お前、可愛い顔してるな]

[あ・・ありがとうございます・・]

[何でマネージャーなんだ?アイドルになるのもありだろう?]

[さ・才能がありませんので・・]

フッ・・不敵に笑うユノユノは雑誌の写真そのままのカッコ良さ。ヤバっ、これがカリスマか!?

[俺が開花させてやろうか?その才能]

[け・結構です!] 

何とかユノユノの腕の間をすり抜けるけど、ドキドキが止まらない。

クイっ!今度は腕を掴まれて引き戻される。

[その顔で俺のマネージャーになるって事は、覚悟は出来てるんだよな?]

はいっ?何の覚悟でしょうか!?

[す・すみません!事務所から電話が入りました。失礼します!!] 

鳴らない携帯を手に楽屋から飛び出すと、俺は慌てて事務所に電話をする。


[ユノユノさんって、あっちですか!?]

携帯の向こう側で聞こえる大爆笑、そして笑いを堪えなから返事をする。

[洗礼だよ、ユノユノの悪い癖だ。君は気に入られたようだね]

人が悪すぎる。まったく理解できないけど、まあホッとする。


もう一度楽屋をノックする。

[失礼します]

無言のユノユノにも慣れた、洗礼だと思うと気が楽だ。

[本当に、俺のマネージャーやれるの?] 

ユノユノの声に答える。

[もちろんです、よろしくお願いします!]


鏡越しに俺を見るユノユノの目が光った気がした。

気のせいだよね?新人を鍛えるための洗礼なら受けて立とう。


[ジェジュン、色々教えてやるからな]


やっぱりユノユノの目がマジすぎて、背中に走る悪寒に身震いする。いや、これは緊張のせいだ。絶対に大丈夫、俺は負けないぞお〜!


ユノユノが妖しく微笑んでいる事に、俺はまったく気づかなかった・・。





おはようございます✨

Sユノ最高💖

お遊びです(^o^;)


今日も元気に、いってらっしゃい(=^・^=)*⁠⁠/⁠*☆✨♥