いつかきっと幸せになれると信じている、どんな環境にあっても必ず。


親に捨てられた、そう思うのは違うと感じる。親は親なりに俺のことを考えて、新しい両親を見つけてくれた。それが罪だとは思わないし、悲観もしていない。心に残る一抹の寂しさは、いつか誰かが消してくれるだろう。そう、俺が愛することを知った時に。


平凡な学生生活を終えると、非凡な日常が始まった。正確には学生生活と並行してかな?いや、学校にもなかなか通えない日々が続いた。バイトと練習の掛け持ちで時間が足りなかったし、勉強なんてまともに出来なくて・・それでも若さで乗り越えていた毎日。夢を持つのは強くて儚い、頑強な心で耐え抜く時間も、掴むまでに挫折を味わう。もう終わりたよね、何度も思ってそれでも耐えて、そして最後の最後で大逆転。俺はラッキーにもデビュー出来た。そして変わっていく生活の中で、仲間だけが家族だと思えるようになった。愛すべき家族と永遠に共にいる、それが俺の夢に変わったんだ。

でもね、夢は続かない。埋まったはずの心の傷も、また広がっていく。それが生きる事だと教えるように・・。


地獄のような時間は何年も、いや10年以上続いた。なぜ諦めなかったんだろう?自分でもそう思う。実際は何度も決意した、終わりにしようと。けど、その度に聞こえる誰かの声。俺を信じて声を出し続けてくれるファンの人達。誰もいなくなったら辞めていたと思う。けどね消えなかったんだ、その声がずっと。転ぶ度に起き上がらせてくれる強い声援が、俺をここまで連れてきてくれた。

それだけでいい、もう何もいらない。心からそう思っている。

だけど聞こえる、もうひとつの声に心が揺れる。


[ジェジュン]

苦しげな声は、いつも俺の耳に残っている。

振りほどいた手は俺の決意だったけど、その声だけは消せなかった。もちろん俺も求めていた、いつだって隣にいたユノを忘れられるはずがない。そんな事は一番良く解っている。それでも聞こえないフリをしてきた。とても長い間。


大人になった俺達は、互いの痛みを理解できるようになったと思う。あの時に出来なかった事を今なら出来る。遅かったのかな?ううん、きっと必要だったんだよ、あの頃の俺達には見えなかったものが今なら見えるから。


[俺達だけが残された感じがあるね]

ユノの声に頷く。

[確かにね、賢いマンネは家庭を持ったし、俺達だけが今も変わらぬシングル生活]

[でもさ、俺達約束しただろう?弟達がみんな幸せになってから結婚しようって]

[うん、したね。しかもユノと結婚できるって本気で思ってた]

[今は違うのか?]

真顔のユノは相変わらず凛々しいけど、大人になった分、柔らかさがプラスされた。

[ユノは?]

俺は学んだ、困った時は逆質問で返すのがベターだと。

[俺は変わらない]

[と言うと?]

まだズルい俺。

[正直、何人もの女性と付き合った。失敗もしたし、泣く泣く別れた人もいた。けど、あんなに熱情を感じる事はなかったよ]

[あんなに?]

[若かったからかなとも思った。けど今なら解る気がする。本気だったんだ、自分ても驚くほどにジェジュンを愛した]

過去形?

[今もなお、変わらない]

強い口調にホッとする。本当はね、自分の人生を諦めようとしていたのは、ユノへの愛の決別だったと思う。何もかも捨てることでユノへの想いも断ち切れると思っていた。まったく別次元の話なのにね。それに、出来るはずがなかったんだ。俺もまた、ユノと同じように本気だったから。


[あの頃の俺は未熟だったと思う。いや、今もまだ足りないらしい。ジェジュンを守りきれない不安がある]

[ユノ、俺は自分を守れるよ?ユノが守らなくていいんだ。俺は俺の足で立っていられる、それだけの経験もしてきたしね]

[もう必要ないのか?俺は・・]

ほらね相変わらず鈍感で、女心をいや男心も読めないユノ。

[ユノ、俺達は互いに自分で立つんだ。その場所でね、だからこそ昔とちがうか愛し方が出来る。今、俺はとても幸せだよ。こうして自然にユノと寄り添っていられる毎日がね。愛にがむしゃらだったあの頃は、ケンカばかりしてたけど・・今はケンカしなくていいしね]

[たまにはするけどね、俺は今でも嫉妬深い]

クスクスっと笑ってユノの首に手を回す。

[そんなユノが好きだよ]

甘いキスも昔とは違う、歳を重ねるのは悪くない。愛し方も覚えた。


[ジェジュン]

[うん?]

[心の穴は埋まったか?]

[え?]

[昔よく言ってただろう?寂しくて心に埋まらない穴があるって]

ああ、確かにユノにだけ話していた。俺の切なさを抱きしめてって。


[ユノがいる限り大丈夫だよ]

俺の言葉に微笑む。

[俺にも出来ることがあったな]

[ユノにしか出来ない事]

ふっ・・ふたりで微笑んで、またキスをする。


誰にでも心に空いた穴がある。

埋めることが出来るのか、それは分からない。傷の深さも理由も違うから。でもね、自分を愛してくれる人がいるなら、きっといつか埋まると思う。

そして、自分も愛する意味を知る・・生きるって悪くない、そう思えたら成功だよ。きっとね。


いつか、すごく遠い未来もユノと一緒にいたいと思う。ユノもそう思っているかな?


[ジェジュン、愛してる]


その言葉を信じて微笑もう。

今を必死に生きる為に・・・✨





おはようございます✨

愛ですね💖

この世界に必要なのは愛☆

争いはいりません。心を満たす優しさで、誰もが微笑むことが出来るよう祈ります。


震災の日を忘れません。


今日も元気に、いってらっしゃい(=^・^=)*⁠⁠/⁠*☆✨♥