どこかで解っていた、こうなることを。

ユノが俺を呼び、そしてその腕の中に飛び込む。それはいつもの優しいハグじゃなく、ジンジンと伝わってくる熱量に、違う空気を感じた。 


びっくりするぐらいに熱いキスのあと、ユノは俺を抱き上げた。何が起きるのかは勉強した。人間生活が1年近くなると、大体の事は理解できるようになる。ネットという便利な機能も使いこなしているからね。だから、これから起こる現実も想像できた。人はそれを愛し合うと言うらしい事も・・。


優しすぎるユノの手と、逆に怖いほどに熱い肌・・こんな時、この世界には俺とユノふたりしかいない感覚になる。音も空気も感じない、ただユノの熱さと囁く声だけがある場所で、俺は息をしている。苦しいほどに高ぶった感情は俺を冷静ではいられなくするし、今はこの激しすぎる波に飲まれるしかないらしい。

一瞬、頭も心も真っ白になる。重なるふたりの身体と心がひとつになった時、俺は俺を超越した気がした。俺はユノであり、ユノは俺だと・・言葉にするのは難しい。とにかく俺はユノとひとつになった。きっと忘れない、例えこの身体が消えても記憶だけは残していこう。俺は今、ユノの中にいるのだから。


[愛してる]

熱すぎる余韻を残したまま、ジェジュンに囁く。俺の腕に頭を乗せて眠るその顔は、出会った頃のままの無垢さを感じさせる。こうして全てをさらけ出してもまだ残る、その神秘的な輝きは人を超えた存在だと教えてくれるようだ。

愛して良かったのか?自問自答してみるけど、俺はジェジュンのすべてを抱きしめたいと願った。許されない恋であっても、その一瞬を本気で感じたい。もし俺のせいでジェジュンが罰を受けるなら、もちろん一人で苦しませたりしない。

そう、俺は決めていた。もしジェジュンがまた消えてしまう日が来たら、俺も共に行こうと。以前、いなくなってから悶々とした日々を過ごした。そして導き出した答えは、ジェジュンのいない世界は無意味ということ。俺達は出会ってしまったから。


[いつ、行くの?]

眠るジェジュンに問いかける。きっとそれは突然で、もしかしたら俺の腕の中にいる間に消えてしまうかもしれない。前にも経験したからね、俺も少しは勉強した。たから俺は誓うよ、今度こそ一人では行かせないと。

ふわふわの頬を撫でながら、心から愛を感じる。こんなにも誰かを愛したのは初めてだ。俺は愛を知らなかったと思う、ジェジュンと出会うまで。彼女を作るのは飾りと同じで、心の癒やしを求めることはなかった。それが永遠に続くのを考えると長続きはしない、一生をこの人に縛られて生きるのか?そんな疑問に別れを告げる繰り返し。多分俺は、誰とも結婚しない、そう漠然と考えてきた。

ジェジュンと出会って、そして今日この日に改めて思う。俺は君と共にありたいと。もしこの世界にそれがないのなら、俺はどこへでも行くだろう。ジェジュンと生きていける場所に。いや、命さえも惜しくはない。共にいたいと願う、心と身体を重ねて・・、


ジェジュンが目を開ける。

[ユノ・・]

掠れた声を飲み込むようにキスをする。

首に巻かれたジェジュンの腕に力を感じなくて、俺は慌ててその存在を確認する。

[あい・・してる]

聞こえているのか、それとも幻聴か?耳に届いたようで現実味のないジェジュンの声。

[行くのか!?]

[ユノ・・]

薄れていく微笑みごと、強く抱きしめる。

[ユノ・・]


ジェジュンは消えた。 

その痕跡のすべてと共に・・。


ジェジュンが存在した事実は何も残らなかった。

いつものカフェには違うバイトの子がいて、俺が行くと笑顔でクロワッサンとコーヒーを差し出す。

[行ってらっしゃいませ]

最後の朝食は思い出の味・・昨日、会社に退職願を出した。理由は【遠くへ行くから】

部屋も片付けたし、荷物は全部実家に送るように手配した。賃貸契約も今日で終わる。もう俺には帰る場所はない。


どこが適当なのか考えていた、ずっと。

出来るだけ空に近い場所がいいのかもしれないと勝手に思い込み、海の見える断崖絶壁の端に立つ。

こんな事でジェジュンの傍に行けるのかは分からない。けど、君のいない世界で生きていくのは無理だ。


大きく息を吸って両手を広げる。幸いにも今日は天気が良くて、青い空と海の境界線さえ見えないほどに、輝くひとつの世界。飛び出そう、そう鳥のように。


足を踏み出す、ふたりだけの世界へと。

さあ、行こう・・なんの後悔もない。ジェジュンに会えるのなら何も怖くはないから。片足を上げた時、背後から声がした。


[何してるの?]


俺は振り向く。そして、頼むから一人にしてくれと言おうとした。けど、その顔を見て驚く。


そこにいたのは・・ジェジュンだった✨





おはようございます✨ 

ジェジュンの地上波出演、本人もファンの為になんて思いつつ、やっぱり込み上げるものがあったんですね。・゚・(ノ∀`)・゚・。

諦めたらここまで来られなかった、それは事実☆

ジェジュンには学ぶことが多いですね、共にその姿を見られる事に感謝します✨

頑張らないと!!


今日も元気に、いってらっしゃい(=^・^=)*⁠⁠/⁠*☆✨♥