山形市の「山形五十番飯店」さんです。
山形県山形市香澄町1-8-8
山形駅東口から徒歩数分、香澄町の飲食店が立ち並ぶ一角にあるお店。
周囲には昔ながらの居酒屋や食堂が並び、夜になるとネオンが灯って活気づくエリアですが、その中でもひときわ“町中華の安心感”を放つ店構えが印象的です。

創業から長く地元に親しまれてきた老舗で、休日の昼下がりでも常連さんが次々と訪れていました。
今回は以前から気になっていた「スーラータンメン」を注文。
運ばれてきた瞬間、ふわりと立ち上る酢の香りに食欲を刺激されます。
まずスープを一口すすると、酸味・辛味・旨味のバランスが非常によく、奇をてらわない正統派の味わい。まろやかな酸味がしっかり効いていながら、辛さは控えめで非常に食べやすい印象です。

具材は細切り豚肉、ニラ、タケノコ、シイタケ、豆腐など王道の構成で、丁寧に炒められているため、卵とじのスープとの一体感も抜群。
特にタケノコのシャキシャキとした食感が良いアクセントになっていて、最後まで飽きずに食べ進めることができます。とろみのあるスープが麺にしっかり絡み、レンゲが止まらなくなる仕上がりです。
麺は中細のストレートで、やや柔らかめに仕上げている印象ですが、このスープとの相性は非常に良く、全体として優しい一杯という雰囲気が強いです。
「酸辣湯麺」と聞くと刺激的なイメージを持つ方もいるかもしれませんが、こちらは酸味を軸にしつつ“街の中華屋さんの温かさ”を感じる味。体が温まり、食後感も軽やかでした。
店内はカウンターとテーブル席が中心で、昭和の名残を感じさせる落ち着いた雰囲気。お昼はサラリーマンや買い物途中の方、夜は周辺の飲み屋帰りの人がふらりと寄るような、日常の延長にある町中華の良さを存分に感じさせてくれます。
山形駅からのアクセスの良さに加え、どこか懐かしさの残る店構えと誠実な味わい。酸味好きはもちろん、優しいスーラータンメンを求める方にもおすすめしたい一杯でした。気軽に立ち寄れてしっかりおいしい、山形らしい町中華です。