事業計画を立てる上で目標の設定は重要です。
事業再構築補助金では「補助事業終了後3~5年計画で「付加価値額」年率平均3.0%以上の増加を達成する取り組み」が求められています。
年率3%以上が高い目標なのかどうか業種や業態によって異なるので簡単には言えませんが、売上の増加ではないことに注意しなければなりません。
定義としては付加価値は「営業利益、人件費、減価償却費を足したもの」とされています。
外部から調達したものを社内で価値を付けて販売して出た差額の計算と理解すればよいと考えます。
全体の水準を上げることを目標としているのですが、業界平均より低い水準にある企業の付加価値率3%増加と、すでに業界平均より高い水準にある企業の3%増加は難易度も、その価値も違うような気がします。
事業計画での目標設定は、事業のステージによっても異なります。私が支援することの多い窮境にある企業の場合の目標は窮境を脱出することなので、債務負担を一定の期間内に正常な状態に戻すための計画となり、例えば10年以内に債務償還年数を10年以下にでき程度のキャッシュフローが確保できることというような目標となります。
一般の企業の場合はどうでしょうか。
業界平均並みを目指すという場合も有りますが、業界全体の水準が低い場合に業界平均を目指しても十分な改善とならない場合があります。業界平均を目標とするとすれば、業界上位30%の平均を超える水準くらいには設定していただきたいものです。
従業員に業界平均以上の給料を払ったうえで、十分な利益が確保できる水準を目指す必要が有ります。さらに、安定した事業運営をするためには一定の規模が必要です。
会社は何を目指すか、経営の目的は何か、を踏まえ財務上の目標設定を十分検討してください。その上で、何をいつまでに誰が実行するかという行動計画にまで、具体化していきます。
飛躍的な発展を目指す場合とこつこつと積み上げていく場合では、当然必要な打ち手も変わってきます。