事業計画を作るための準備について考えてみましょう。        
  事業再構築補助金特設サイトに「事業計画書 作成のポイント」というページが有ります。  
  https://subsidy.rc-gr.com/jigyo-keikakusyo-sakusei/        
                     
  事業計画作成の前に次のような分析をしてくださいと書いてあります。      
  「事業計画を策定する上で、自己の事業資源を分析して他社と比べて強みとなる部分、あるいは弱みとなる部分を抽出・評価し、外的要因たる機会(Opportunity)、脅威(Threats)については、経済状況、政治情勢・法律の改変、技術革新等によって生じる機会や脅威を把握・評価していきます。」
   
  簡潔に要点を押さえた記述となっています。          
                     
  しかし、具体的に何を書いたら良いか、と考え始めると、よくわからなくなってしまうかもしれません。
  以下で事業計画作成準備としてやることを順番に説明します。        
                     
  まず「自己の事業資源を分析」すると書いてありますが、この前に考えることが有ります。  
  それは「自己の事業」はどんなものか、改めて確認することです。ここが明確になっていないと、次に進めません。
  「自己の事業」について考えてみましょう。          
  例えば、飲食店です、というだけで十分でしょうか。        
  飲食店には和洋中等という、提供する料理の種類があり、定食500円のお店も有れば、ディナー一人3万円という高級レストランも有ります。従って、飲食店の場合は少なくとも和洋中華等のカテゴリーとか、お客様はどんな人たちか、いくらくらいで提供しているか、さらにお店はどのくらいの広さかが明確になっていないと、「自己の事業資源」が何か、考えられないのです。
   
  ここで考えることを整理すると、「何を、だれに、どの様に」を考えることとなります。(ドメイン定義と言います)
                     
  「何を」ということを考えるのはとても大事です。          
  有名な例としては、世界的に展開してこの種の業態では驚異的な規模に成長したスターバックスがあります。
  スターバックスは、もちろんコーヒーを提供しているのですが、それだけでは他の喫茶店とどこが違うかわかりません。スターバックスは、お客様に、職場でもなく自宅でもない、第三の場所を提供すると考えて事業を構築したからあんなに急速に発展できたと言われています。
   
  次に、「だれに」を考えます。できるだけ具体的に考えましょう。      
  例えば、あまりお金のない大学生向けなのか、高齢者向けなのか。大学生向けのラーメン店を考えると、一番大事なのはなんでしょう。ボリュームですね。
  しかし、高齢者はボリュームより、多少高くてもおいしいものを選ぶでょう。「美味しい」も若者はこってりを好むかもしれませんが、高齢者はどちらかというと、あっさりを好むのではないでしょうか。
     
  「だれに」によって大事なものが変わってしまうという例です。      
                     
  そして、「どのように」です。            
  コロナ禍の現在、飲食店はお客様を迎えるのに制限がかかって、大変苦しんでいます。そして対応策として、デリバリーとかテイクアウトとか、で売上を維持しようと工夫しています。
               
  市場環境に応じて「どのように」が決まってくるのです。          
                     
  「だれに何をどのように」が明確になって初めて、事業資源の何が大事なのかが明確になってきます。
  更に次の強み弱み分析もできるようになるのです。