改善方針を検討するアプローチとして、財務診断から考える方法と、クロスSWOT分析から考える方法が有ります。
財務診断においては業界平均と比較するのが分かりやすいと考えます。事業再構築補助金の申請においては添付書類の⑤として「ミラサポplus「活動レポート(ローカルベンチマーク」の事業財務情報」を添付することとなっています。
ミラサポplusは中小企業経営者のために様々な情報を提供する経産省のホームページで、その中にローカルベンチマークが掲載されています。
ローカルベンチマークのツールが提供されていて、そのツールは以下のURLからもダウンロードできます。
この中で提供されているローカルベンチマークツールはエクセルでできていて、そのエクセルの中の財務分析のシートに3期分の決算結果を入力することで、売上継続性、収益性、生産性、健全性、効率性、安全性の6つの軸で業界平均と比較した結果が点数付きで表示されます。あくまでも概要が簡単に把握できるという点で利用価値のあるツールとい考えますが、計画作成には、もう少し詳しい財務分析が必要かもしれません。
財務分析の結果からだけでは計画にはなりません。売上を増やさなければならない、とか利益を増やさなければならない、というのは計画ではありません。そのために何をすればよいのかが問題です。
そこで、まずクロスSWOT分析の結果からどんな戦略を立てるのかを検討します。
強み、弱み、機会、脅威をリストアップし、整理し、その組み合わせで対応策を検討してきました。その全部を実行することは必要ありません。何が大事なのか、何に焦点を合わせればよいのか、どうしたらよいかを検討するのです。
そのためには、ビジネスモデルキャンバスの各要素を考えてみることが有効だと考えています。
売上を増やすために何をするか、と考えると、①提供するものやサービスの価値を上げる、②価値をお客様にもっと知ってもらう、③お客様との関係を強化する、④提供チャネルを増やす、などの方策が考えられます。さらに、それを実現するためにどんな具体的な方法が有るかを考えていきます。
営業担当者に売上をもっと増やせ、というだけでは売り上げは増えないでしょう。増えるように提供価値や仕組みの見直しをした上で、どうやって増やすかを指示し、その指示に従った行動が実行されているか、なぜ実行できないのか、なぜ実行しても売上が増えないのか、という行動計画と、その実行管理が必要となります。