今のところの考えは、「伝えない」です。



理由は色々ですが、やはり大きいのは、夫が家で自死しており、その場所で今後も生活をしていくことになるから。
その影響を考えたとき、子どもが不必要に、家で過ごすことを悲しんだり、恐れたりしないでほしいから。

夫と一緒に色んな思いを込めて、頑張って建てたこの家が、子どもにとって、思い出の詰まった、あたたかい場所であってほしいから。


あとは子どもが、自分の存在が、自分の父親の生きる最後の砦にならなかったと、自分を責めてほしくないから。

もっと言うなら、自分のせいで父親は死んだと思ってほしくないから。

子どもはどうしてもみな、自分中心の考え方になりがちなので、きっと真実を知ると「自分のせい」って考えてしまうと思うのです…。
遺された大人でさえ、事実を消化できず自分を責めて、たくさんの後悔を背負って生きているのだから。



まだ少し先になりますが、子どもには身体だけではなくて心も病気になるということ、それは決して、その人が弱かったり、悪いからではないということも、伝えたい。
そして、人の死が理解できるようになったら、「自死」ということについての説明はしようと思っています。避けることで、誤った理解はしてほしくない。誤った理解で、偏見を持った子に育ってほしくない。

強くそう思っています。


きっとあと数年後には「どうしてお友達にはお父さんがいるのに、僕にはお父さんがいないの?」という、ストレートな質問が来るはずです。
そのときに、堂々と、亡くなってしまったからという事実と、他のお友達のお父さんより早く亡くなってしまったけど、お父さんは一生懸命生きて、今はお空の上でゆっくり休憩しているんだよ、ということは最低限、私が自信を持って伝えたいなと思っています。

もしかしたら、子どもの成長に伴い、また考えは変わるかもしれません。

それでも、まだまだ考えなくてはいけないことは、これからもたくさんありそうです。