夫は虐待サバイバーでした。
致命的なことに、夫にその自覚は全くありませんでした。


小学生になる前から、小学生以上の勉強をさせられ、できないと風呂場で水をかけられた。
遊ぶ友達は、親が決めていた。
イジメられたとき、やり返すまで帰って来るなと、家の外に放り出された。

…聞いていてこっちがつらくなりました。ほんの一例で、まだまだ山程あります。


高校も義父が決めたそうです。

実力以上の高校に何とか入学したものの、成績は親の期待するところに届かなかったため、義父は高校に何度も「お前らの教え方が悪い」と頻繁にクレームを言いに行っていたそうです。
いわゆる「モンペ」です。
小学校のときから、夫が学校の何かで、義父の思う成績や基準を超えないときは、義父は学校に理不尽な文句を言いに行っていたようです。


そんな状態だったので、教師や同級生からは距離を置かれ、一部の同級生からはいじめられていたそうです。
多分そんな同級生がいたら、私も関わらないと思います。

でもそのつらさを口にすれば、家でまた怒られ、放り出される…。


夫は「透明人間になってやり過ごしていた」と言っていました。よく生き延びてきたと思います。

その代償に、夫の人格の土台はボロボロでした。

でも、それを隠して生きていくのは上手でした。少なくとも、家族になった私でさえ、暫くの間気づかなかったくらいには。

一方で義弟は、要領よく色々をこなし、義父には非常に可愛がられ、兄である夫をバカにしていたようです。そして義母は、義父の操り人形で義父の言いなり。


安らげる場など無い、本当につらい幼少期だったと思います。