ワインクーラーに氷を満たし、スパークリング、ついでに果物も入れていた。メロンも買っていたから、万能包丁忍ばせて、折り畳み椅子持参で彼女とウロウロ。気が強くて、スタイル抜群、自称自分以上に綺麗な女は、まずいないとか。昔の国道、今は新しく道ができた為、お払い箱で、高台に登り行く道。途中で全面階段となり、最早車は通らない。生活道路と、今ではベンチなんか併設されていて憩いの場みたいな場所になっている。そのベンチは、まだ設置される前だったかな。道の脇には緑があって、まぁ、そこで飲むことにしたのだが。道の端は虫が多くて、虫がいないところ探して辿り着いたのが、階段を登りきった所、そこの真ん中。7月の真夏でも涼しく風が通り抜けた。だから虫も寄ってこなかったのだろう。滅多に人も通らない。恋人が酒を楽しみながら語らうには絶好の場所であった。今までに5回ほどはその場所で楽しんでいた。その日はいつにもまして、特にスパークリングが優れもので、話も盛り上がっていた。但し小声だ。騒いじゃいない。人生がどうのこうの、こういう考え方、あーだ、こうだ?なんか言っていたのかな。酔いも良い具合に回った頃、赤く光る車がすっと階段下にやってきた。ドアを開け、二人組の男が降りてきた。「お、いたいた。」20段ほどの階段を昇ってくるや否や「お上品にお楽しみのところ誠に申し訳ございませんが、云々」、警察だ。因みに警官A君、B君っと名前振っておこう。つまり、通報されてしまった。何なんだ、この田舎と言うものは、人っ子一人いないような所の片隅で、立派に、ワインクーラーなぞにスパークリング入れて、お洒落に飲んでいるというのに、、何故だと聞くと警官A「やはり、私共も通報されると放っておくわけにもいかないもので、申し訳ありませんが」私「分かった、聞いたから帰っていいよ」警官A「そういうわけにも行きませんので、ここは一端引き上げてもらわないと」「、、、」私「では、どこで飲めば良いのですか?」警官A「家とか、飲み屋で飲んでいただきたい」煮えきれずに、私「しかし、何で大人しく座って、大人しく飲んでいるのに」と、警官A「しかし、横を通るのが怖いという人もいて」私「羨ましいから言っているだけで、自分も飲みたいのでしょう、一種のクレーマーと同じでしょ、その言ったひとを指導しなさい。そうでないとこの田舎詰まらなくなりすぎる」と、断言した。押されたような感じで、私の回りを見回して、ワインクーラーの中を覗きこんだ。警官B「うわ!こんなものが入っている!」包丁が見つかった。私「あのね、このメロン用でしょ?振り回しているわけでもなく、見えないようにきちんとワインクーラーに隠しているでしょ?おかしいでしょ」銃刀法違反逮捕が、脳裏に浮かんだが、それ以上、詮索されることなく、ま、お互い、ここは痛み分けみたいな形で、私達がその場を去ることでその日は終わった。