不倫のずっと前の話

 

一人目の子供が産まれて半年くらいの頃

私の誕生日に、夫がワンピースをプレゼントしてくれた

ベージュに黒の模様

落ち着いた色だけど透け感があって綺麗な印象

大人っぽいロング丈

 

…これ、もらってどうですか?

素直に嬉しいと思えなかった私はダメですか?

もちろんワンピース自体はすごく素敵

デートやお出かけに良さそう

ただ、

デートやお出かけが、あるならね!

 

もう一度言います

出産後半年

しかも完全母乳

お出かけしても数時間おきに授乳

授乳ケープは必須

普段着は西松屋の授乳服

授乳服じゃなくても、上下分かれてるのは必須

ワンピースだったらスカートからまくって授乳しないといけない

 

これをもらった時

第一印象は素敵だと思った

でもその次に思ったのが

(え、今着れない…)

まぁ今じゃなくても、いつか着れるかな…

せっかくもらったし感謝はしないと

「ありがとう。最近なかなかお洒落できてなかったから」

その時の夫の言葉

「そうそう!だからこういうの着てほしかった」

 

こういうの着て欲しい…

本気で思ってたの?

 

必死で育児をして

自分のことは二の次

出産したら優先順位が変わるのは自然なこと

お洒落どころじゃない生活

女より母親としての幸せ

それでいいと思ってた

 

夫も隣で育児を見て、

時には手伝ってもくれた

だから当然わかってると思ってた

でもそうじゃなかった

ワンピースを着ない私はダメなの?

今の自分を否定されたような気持ちだった

綺麗でいることを強要されてるような気分だった

 

どこかモヤモヤしながら

せっかくくれたのに、そんなことは言えない

嬉しい気持ちがないわけではない

とりあえず一度来てみたこともあるけど

案の定ワンピースで乳児とお出かけは大変だった

授乳が終わってからも

お出かけは公園や児童館がメイン

どこへ行くにも動きやすい服装は必須

そして第二子を妊娠・出産

綺麗なワンピースを着て出かける機会はほとんどない生活

 

ワンピースに罪はない

夫にも悪気はない

プレゼントくれるだけいいじゃないか

あの時、素直に喜べたらどんなによかっただろう

でも「こういうの着てほしい

という言葉に、抵抗感を感じた

素直に感謝できない自分にも自己嫌悪

 

ちなみに、翌年の誕生日プレゼントは

ネックレスだった

子供に引っ張られるし

抱っこの時は顔に当たって危ない

同じように複雑な気持ちになった

 

あれから何年も経った今

冷え性になって

夏でも胸元の広い服は着れなくて

ネックレスは久しぶりに付けると首が痒くなる

申し訳ないけど

未だにプレゼントの出番はほとんどない

 

こんなふうに

夫に対して

「今それじゃない」

…というズレが度々ある

 

嘘でも素直に感謝できるような奥さんなら

不倫しなかった?

あの時女優になるべきだった?

でも今は

不倫するような人を

そこまでして繋ぎ止めたいとは思えない