乳児脂漏性湿疹とは
だいたい生後1ヶ月頃に「乳児湿疹ですか?頭皮と顔に皮疹があります」と言って赤ちゃんを連れてくるママが多いのが乳児脂漏性湿疹です。
脂漏性湿疹とはどういった疾患でしょうか。
新生児から乳児期初期には生理的に脂腺機能が亢進しています。
皮脂腺の活動は約1週間でピークになり皮脂分泌は約4週間亢進しています。
亢進した皮脂中のトリグリセリドが皮膚常在菌によって分解されて、分解産物である遊離脂肪酸が皮膚に刺激を加えることによることが病因と考えられています。
生後2~4週頃から頭部に黄白色調の痂皮が付着した紅斑局面を認めます。
顔(特に前額部、眉毛部、耳前部)にも痂皮の付着する紅色丘疹が集簇します。
掻痒は軽いです。
治療ですが、まずは入浴時の石けんを使用した洗浄が一番大切です。
炎症が強いときは弱いステロイド軟膏(私の場合はキンダベート軟膏)を外用してもらいます。
1週間後の再診では、ほとんどの赤ちゃんがとてもきれいなお肌になっています。
頭皮の痂皮は、なかなかとれにくいのですが、私はプロペト(白色ワセリン)を処方しています。
入浴30分前に痂皮が固着している部位にプロペトを塗布し、入浴時石けんでおとしてもらうと無理なくとれてきます。
新生児、乳児期の皮疹にお悩みの時は、なかなかママは連れてくるのが大変ではありますが、皮膚科を受診して頂きたいと思います