川崎病とは?
新型コロナウイルスに感染している患者さんで川崎病に似た症状を示す事例の報告が米国で相次いでいるというニュースがありました。
川崎病とは一体どういう病気でしょうか。
川崎病は1967年に川崎富作博士によってはじめて報告された主として4才以下の乳幼児に好発する原因不明の病気です。
この病気にかかると全身の血管に炎症が起こり特に心臓の血管に冠動脈瘤(冠動脈瘤ができると狭心症や心筋梗塞を起こすリスクが高くなる)ができやすいのが特徴です。
以下は「川崎病診断の手引き 改訂第6版」からの抜粋です。
【主要症状】
① 発熱
② 両側眼球結膜の充血
③ 口唇、口腔所見:口唇の紅潮、いちご舌、口腔咽頭粘膜のびまん性発赤
④ 発疹(BCG接種痕の発赤を含む)
⑤ 四肢末端の変化:
(急性期)手足の硬性浮腫、手掌足底または指趾先端の紅斑
(回復期)指先からの膜様落屑
⑥ 急性期における非化膿性頚部リンパ節腫脹
a.6つの主要症状のうち、経過中に5症状以上を呈する場合は、川崎病と診断する。
b.4主要症状しか認められなくても、他の疾患が否定され、経過中に断層心エコー方で冠動脈病変を呈する場合は川崎病と診断する。
抜粋以上。
川崎病急性期の治療には、アスピリン療法(血栓ができるのを予防し血管の炎症を抑える)と免疫グロブリン療法があります。
私は大学時代にBSL(Bed side learning)の際に小児科実習で診察したことがありますが、今まで皮膚科診療で川崎病の患者様は診察したことはありません。
全身の皮疹をよく診察し、川崎病の患者様をしっかり診断できるように今後も診療を続けていきたいと思います