蕁麻疹について
蕁麻疹は皮膚科ではよく診察する疾患です。
今回は蕁麻疹についてお話したいと思います
蕁麻疹とは痒みを伴う一過性、限局性の紅斑や膨疹のこと。
皮疹は数十分から数時間以内のことが多く、長くても24時間以内に消退します。
ときに皮膚だけでなく粘膜に生じて呼吸困難や嗄声(声がかすれること)になることがあります。
発症してからの期間が6週間以内のものを急性蕁麻疹、6週間以上のものを慢性蕁麻疹といいます。
発症メカニズムは、肥満細胞からのヒスタミンなどの化学伝達物質が放出され、これが血管浸透性を亢進させることで真皮上層に浮腫が生じたものです。
病型
① 機械性蕁麻疹 圧迫、摩擦部位に一致して数分後に膨疹出現。1~2時間後には消退する。
② 寒冷蕁麻疹 寒気、冷水にさらされたときに生ずる。
③ 温熱蕁麻疹 温熱付加部位に一致して生ずる。運動では誘発されない。
④ 日光蕁麻疹 日光照射後15分以内に照射部位に生ずる。
⑤ 水蕁麻疹 きわめてまれだが、水と接触後2分程度で接触部に生じ、2時間以内に消退。
⑥ コリン性蕁麻疹 運動や入浴や精神的緊張などで体温が上昇して発汗を伴うときに出現する。
⑦ 接触蕁麻疹 接触した化学物質、植物などにより生ずる。アレルギー性と非アレルギー性がある。
治療
① 急性蕁麻疹 抗ヒスタミン剤を数日内服し、症状の消失または軽減傾向であった場合にさらに数日~1週間内服継続し数日以上症状がなければ内服中止する。その後症状なければ治療終了となる。
② 慢性蕁麻疹 抗ヒスタミン剤を1~2週間内服し、症状の消失または軽減傾向があればさらに1~2ヶ月内服継続し、内服中症状なければ数週間毎に内服漸減。
再燃なければ3日に1回程度の内服にする。さらに症状が消失していれば内服中止または頓服にし、症状がなければ治療終了になる。
蕁麻疹と思われる皮疹が出現したときは、皮膚科を受診して下さいね